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デジタルパウダー,東北大学,山陽特殊製鋼
高機能マイクロ部品の共同研究開発プロジェクトが始動
[2007/10/16]

 高精度粒子の製造技術を有するデジタルパウダー株式会社(本社:仙台市青葉区。代表取締役社長兼CEO 加藤洋史氏)は,高精度マイクロ単分子粒子を用いた高機能マイクロ部品「マイクロギア」および「MEMSリレー」の開発を行うと発表した。これは,同社および国立大学法人東北大学,山陽特殊製鋼による産学協同研究事業が,経済産業省の平成19年度の戦略的基盤技術高度化支援事業として採択されたもの。情報機器,医療機器分野において使用される,強度,耐久性に優れたマイクロ部品の試作品開発を目指す。

 この研究開発プロジェクトでは,情報機器ならびに医療機器分野において使用されるMEMSリレー用接点部品および内視鏡などの医療施術用マイクロ部品(マイクロギア)の試作品開発が目標となる。この分野においては,デバイスの小型化に伴い,部品レベルでも強度・耐久性・耐磨耗性に優れたマイクロギアの開発が求められている。
 研究の全体プロセスは,高精度原料粒子製造装置による高精度マイクロボールの製造,制御粒子充填装置による粒子の径・個数の制御充填,マイクロホットプレスによる成形の三段階から構成される。
 開発目標となるスペックは,形状サイズが0.2mm以下,寸法精度は±1.5パーセント以内,強度は1000MPa以上と非常に厳しいものだ。医療機器については,これまで樹脂製だったものを金属材料に変更し,強度と耐摩耗性を増強することが求められている。開発されたマイクロギアは,内視鏡,腹腔手術用機器,マイクロポンプのマイクロ減速機部品医療機器など,施術機器用の極小部品としての利用が想定されている。
 また,情報機器分野におけるMEMS向け接点部品「MEMSリレー」は,次世代携帯電話,計測器,HDD,デジタルカメラなどへの応用が想定されている。 

素材を選ばず製造できるマイクロボール
 このマイクロギアの開発プロジェクトで重要な役割を果たすと考えられているのが,デジタルパウダーのマイクロボール製造技術だ。
 この粒子製造技術の強みは3つある。1つは従来の製造法と比較し,粒度分布が,従来製法に比べて約15分の1であり,粒径頻度も約2倍の精度を持ち,粒形の揃ったマイクロボール(公差±3〜±9μm)を製造できること(図1)。これによって選別,分級作業など後工程が不要になるので製造プロセスの省力化・効率化につながる。2つめは作製されたマイクロボールそのものの表面状態が良好(高清浄雰囲気下製造)なため,はんだとして活用する場合など接合材料の選択肢が広がる。そして,マイクロボール化する材料自体も選ばず何でも対応できる点だ。純金属や合金はもちろんのこと,それらをベースとする複合ボール(銅コアはんだ・その他金属コア)やセラミック,樹脂・シリコンなど幅広い材料をマイクロボール化できる。材料によって溶解温度や物質との反応の仕方が異なるため,それぞれの用途に応じ物性の異なるボールを製造することができる。

図1&良好な表面性状


独自のデジタル制御によるマイクロボール製造技術
図2 もともと,マイクロボールは,はんだボールとして半導体などの基板接合に広く使われてきた。さらに,BGA(Ball Grid Array)方式の半導体が出回るようになると,その接合材料として粒形の安定した,はんだボールが必要になってきた。ところが,当時は精密な球形ボールを安定的に製造する技術が確立されておらず,歩留まりも悪かった。デジタルパウダーは,デジタル制御されたパルス式の電圧を溶解した金属材料に加えて噴射させることで,安定して球形の揃ったマイクロボールの製造法を確立した(図2)。
 基本原理は,装置内に設置された圧電アクチュエータをデジタル制御によって溶融金属をノズルから規則的にインジェクションすることで,マイクロオーダーでの粒子(マイクロボール)を作る。(図2挿入)
 マイクロボール製造技術には,他にもマサチューセッツ工科大学が製法特許を持つMIT法や細線状の材料を球形化する細線切断法がある。しかし,MIT法は,100μm以下の極小径粒子製造では,精度が不安定になり,選別,分級が必要になるという。また,細線切断法では,ボール製造の前工程として細線を製造しなければならない。選別,分級も必要なので後工程も生じてしまう。

幅広い用途展開が予想されるマイクロボール
複合化技術 当社の技術によって,様々な材料のマイクロボールの製造が可能となり,その用途にも広がりが見られる。金属のマイクロボールを使った半導体チップの接続端子や接点への応用はもちろん,金のマイクロボールを使い,MEMS分野では基盤両面の導通確保のためのスルーホール穴埋め,シリコンのマイクロボールを使った球形太陽電池の素材球製造など,幅広い分野での活用が期待されている。
 デジタルパウダーではすでに,高精度マイクロボール作製装置(DMシリーズ)ならびに,デジタルマイクロボール(銅・金・鉛ハンダフリーなど)の販売を行っている。また受託開発も積極的に請け負っており,共同研究開発などにも意欲的な姿勢を見せる。加藤洋史社長は,「40μmから500μmまでのマイクロボールが製造可能で,その均一性と精度において他社には真似のできない点が最大の強み」と強調する。また,デジタルパウダーの今後の方向性について「他企業は安易にナノオーダーを追いかけるが,マイクロオーダーレベルでの製造技術が確立されたわけではなく,技術的な飛び地になっている。まだまだマイクロオーダーでやるべきことはある」(加藤社長)とあくまでマイクロボールにこだわり,機械加工技術の下限,ナノテク技術の上限とされる数10μ〜数100μmの技術空白領域をカバーする技術を確立したいとしている。


デジタルパウダーホームページ: http://www.digitalpowder.com/
問い合わせ: info@digitalpowder.com
記事要点掲載先:日経BP.netTech-On!MEMS international


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