(株)テクノアソシエーツ TOPページへ テクノアソシエーツサイトへ

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへコラムへ


アゼックスの遺体処置剤が三重大学との共同研究で本格実用化へ

[2007/11/26]

【写真1】
ニュークリーンジェルスプレー
【写真1】ニュークリーンジェルスプレー
  三重県発のベンチャー企業アゼックス(三重県・四日市市)は,三重大学と共同で遺体処置剤「ニュークリーンジェルスプレー」(写真1)を開発した。この処置剤は,高吸水性ポリマー樹脂の微粉末と防臭剤から構成されていて,鼻腔などから簡単に注入処置(写真2)することができる。この処置剤を使用することにより,医療・葬儀関係者は感染症から身を守ることに役立つ。また,腐敗抑制効果を持っているため,腐敗臭の発生を防止したり,ドライアイスを使わないで済むことから,遺体の表情を生前のように自然のまま保つことができるので「亡くなった肉親の尊厳が保たれた」と遺族などからも感謝されているという。製品開発にあたっては三重県から助成金が交付され,三重大学医学部が全面的に協力した。

開発のきっかけは,猫防止用のプラスチックゴミ袋
 同社がニュークリーンジェルを開発したきっかけは,犬や猫,烏などの獣鳥類が嫌って近付かないゴミ袋からだった。同社は,自治体から依頼を受け,獣鳥類が嫌いな臭いを付けたゴミ袋を開発し,販売していた。その臭いの成分は,サルチル酸メチル,サルチル酸エチル,サルチル酸プロピル,メントールなどだ。
 地元三重県のある葬儀社が,車などにそれらの動物が寄ってくるのを防ぐため,同社からゴミ袋に使用されている原料粉末を調達して忌避剤として,車の周りに撒いていた。
【写真2】ニュークリーンジェルスプレーの処置
【写真2】ニュークリーンジェルスプレーの処置
  ある日,四日市で腐乱死体が発見され,現場に赴いた葬儀社の担当者が,たまたま持っていた犬猫防止用ゴミ袋の原料粉末を遺体に振りかけたところ,臭いが消失することを発見した。 
 この防臭効果に目を付けたのが,警察だった。「四日市南警察から,サンプルを使わせて欲しいという申し出がありました。その時は,思いもかけない用途なので驚きましたが,とりあえず,サンプルを提供することにしました」(アゼックス代表取締役・加藤眞彦氏)
 ニュークリーンジェルの前身の製品である遺体処置剤「プロガード」(粉末)は,その高い防臭,腐敗防止効果から三重県警の鑑識課なども注目するところとなり,正式に採用されることとなり,全国の警察に利用が広がっていった。

葬儀向け市場にも進出
 警察が注目したほどの遺体保存効果を発揮したことにより,自治体も関心を持った。「ある日,静岡市の保健所からサンプルが欲しいと連絡がありました。その後,静岡市からは,摂氏41度の状態で11日間,遺体が損傷しないことを確認したという連絡をもらいました」(加藤社長)。そのサンプル提供をきっかけに,災害用遺体処置剤に採用されることになり,二千人分の製品を静岡市に納品している。現在,同社の遺体処置剤は東京の足立区を始め,北海道から沖縄まで,多くの自治体,警察,葬儀社に採用されている。特に,地元三重県では,三重県葬祭連合の指定商品となっている。
 では,どうして遺体の防臭だけではなく,腐敗まで防止する作用があるのだろうか。
 「一般的に死後,腸から腐敗してバクテリアが発生しますが,弊社の処置剤は,毛穴から成分が入っていってバクテリアを殺す抗菌作用があるので,防臭効果と腐敗防止効果が生まれているというのが関係者の方々の見解です」(加藤眞彦氏)

アジア諸国でも,その効果が注目を浴びる
 葬儀用の遺体処置剤として利用することになれば,防臭効果と腐敗防止効果に加えて,体液の流出も防止することが必要となった。
 そこで,同社では,三重大学医学部の大西和子教授との共同研究により,高吸水性ポリマー樹脂の微粉末と防臭・防腐剤からなるスプレータイプのニュークリーンジェルを研究開発し,完成にこぎ着けた。
 「室温37度(インキュベーター内)の状態で,ネズミを使った実験を試みました。何の処置も施さないネズミの死体は,二日目より腐敗臭が発生し始め,三日目には,内臓が溶解しだしました。ところが,ニュークリーンジェルを注入したネズミは,三日たっても腐敗せず,内臓が収縮し,乾燥化したことが確認されました」(三重大学医学部・大西和子教授)
 さらに,大西教授は,インドネシア大学の協力を得て,身元不明者の遺体による実験を依頼した。気温の高いインドネシアで,ニュークリーンジェルを使用した場合は,腐敗臭もなく,きれいなままで四日間は保存できることが確認された。インドネシアの法律では,五日目には遺体を処理することが義務付けられているので,現時点では,四日間のデータが得られているだけ。この実験結果は,スリランカで開催された学会で発表され,インド,タイ,シンガポール,マレーシアなどの国々からも注目されているという。
 こうしてニュークリーンジェルの効果は,次第に海外でも知られるようになり,現在,韓国,インドネシアに輸出されている。



【本製品に関するお問い合わせ】
株式会社アゼックス
TEL:0593-21-7000 住所:三重県四日市市波木町1097番38号

記事要点掲載先:日経BP.net


オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
パナソニックの住宅関連事業を支える耐酸被覆鋼板、接着技術や樹脂コーティング法に独自ノウハウ

【座談会】レアアース泥の採泥・揚泥は戦略技術、焦らず段階を踏んで確実に商用化を目指す

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2018年8月)










オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

INTERVIEW Index ブレークスルー技術Index 提案Index コラムIndex イベントIndex お問い合せ