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水をキレイにする納豆菌 熊本から世界に進出 [2007/12/13]
ニューデリーでは,2005年から2年間にわたって,インド政府による大規模な性能試験が幅1.5m,全長3.2kmの水路で行われた。今年6月にまとめられた結果では,BOD(生物化学的酸素要求量)32.4%,COD(化学的酸素要求量)33.7%,TSS(全懸濁物質量)62.5%の低減効果が証明された。現在,2008年度の本格導入に向け,準備を進めている。 EBBで採用している微生物は,枯草菌やその一種である納豆菌(細菌学上は,バチルス属に分類)。こうした枯草菌群は,河川,湖沼等の汚染や悪臭の原因となる有機物を分解して(餌として利用する),増殖する。ビッグバイオは,ブロック建材メーカーのコヨウ(福岡県)と共同で,コンクリートブロックに菌を封入する技術を確立,EBBを開発した。汚染した河川や湖沼などにEBBを敷くことで,自然環境に負荷を与えずに水質を浄化できる。 水質を浄化する枯草菌,納豆菌を特定
これらの製品の中核を担うのが,有機物を餌に増殖する納豆菌をはじめとする枯草菌群(写真2)である。同社は,土壌に含まれる微生物を対象に,カビ取りや消臭,水質改善などに対する効果を検証,その結果,優れた能力を示す枯草菌を特定した。「さまざまな微生物で検証したが,枯草菌がもっとも効果が高かった。これらの菌の培養ノウハウを確立するとともに,用途に応じて,菌の組み合わせを最適化することで,多様な製品への展開が可能になった」(専務取締役岩下智明氏)という。 水中で自律的に増殖し,水質を浄化する EBBは河川に投入されると,多孔質石内に封入した枯草菌群が増殖し,水中に飛び出していく。30分ごとに増殖を繰り返しながら,水中の有機分を分解し,水質を浄化する。多孔質内には,枯草菌の餌も封入されているため,安定した効果を長期間発揮する。「化学処理と比べると速効性は低いが,自然環境と調和しながら,持続性の高い環境蘇生ができる」(阪本氏)ことが特徴だ。インド政府が導入に前向きなのも,低コストで長期間にわたって効果が継続でき,環境負荷が低い水質浄化システムである点が高く評価されたからだ。 河川汚染や水資源の確保が深刻化する発展途上国では,水質浄化の必要性が急速に高まっている。また,先進国では,工場やゴミ処理場,家庭の廃水等による環境汚染が長年,指摘されている。EBBは,こうした課題を解決する切り札として期待されており,海外での採用事例が増えている。 一方,日本国内では,国土交通省の助成を受け,九州大学がEBBの設置方法・評価の検討を行っている。2008年3月には,結果が出る予定だ。また,長崎大学とは,蚊の成長抑制に対する枯草菌の効果を検証している。 「枯草菌は,非常に生命力が強く,多彩な機能を持っている。水質浄化システムとしてはもちろん,マラリアなどの感染症の防止,農業技術や水産業への展開など,幅広い分野への応用が考えられる」(阪本氏)と話す。 (テクノアソシエーツ 笹木雄剛)
■株式会社 ビッグバイオ ホームページ:http://www.big-bio.com/ 記事要点掲載先:日経BP.net
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