(株)テクノアソシエーツ TOPページへ テクノアソシエーツサイトへ

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへコラムへ

ノーリツ鋼機,マイクロ波大気圧プラズマ洗浄装置で
表面硬化層を持つレジストのアッシングを実現


[2009/03/26]



 写真用ミニラボ機器の最大手メーカーであるノーリツ鋼機が,マイクロ波大気圧プラズマ洗浄装置を使ってレジストのアッシングを実現した(図1)。同社が除去(アッシング)に成功したのは,レジスト付アルミ配線パターンを形成したガラス基板上の表面硬化層を持つレジストである。実験に使ったサンプルのレジスト膜厚は4μm,表面硬化層の膜厚は約1μmだった。これによって同社は,マイクロ波大気圧プラズマを使った低価格なアッシング装置の開発が可能になるとしている。

 半導体の製造工程には,回路パターンを形成するために多くのイオン注入工程やエッチング工程が存在する。その際,レジストには高濃度のイオンが照射される。このイオン照射によってレジストの表面が硬化し,従来の高温条件での減圧プラズマでは,レジストアッシングが難しくなってきている。また,これまでの平行平板電極方式の大気圧プラズマ装置では表面硬化層を持つレジストの除去は不十分であった。

 ノーリツ鋼機の装置は,マグネトロンを使って2.5GHz帯のマイクロ波によりソースガスを励起させ,従来の数百倍と高密度のプラズマ(ラジカル)を発生させることができる。それによって表面硬化層を持つレジストの除去が可能になった。
 同装置は円筒状のノズル部の中にマイクロ波を受けるアンテナ役の中心電極を持ち,ノズルの壁面が接地されている(図2)。ノズル先端部の円筒内面には誘電体セラミックスが形成されており,中心電極と誘電体セラミックスの間でグロー放電によるプラズマが発生する。2.5GHz帯の高周波を利用しているため,「KHz〜MHz帯を使う平行平板電極方式のプラズマ発生装置と比べて高密度のプラズマ(ラジカル)を発生させることができる」(ノーリツ鋼機)。
 アッシングに使用したガスは酸素である。ガス流量は10LPM。プラズマ電力は130Wである。スループットを決める搬送速度は0.125m/minとまだ遅いものの,同社は1本だったプラズマ発生用のノズルを増やし,使用するガスを変えれば搬送速度を高めることが可能とみている。今回の実験では供給ガスに酸素を使ったが,空気や窒素を使ってもプラズマを発生させることが可能である。今後は還元作用を持つ水素なども検討する。同社は搬送速度の課題を解決し,年内の製品化を目指すとしている。

図1:表面硬化層を持つレジストアッシング
図1:表面硬化層を持つレジストアッシング

図2:開発したマイクロ波大気圧プラズマ洗浄装置
プラズマ処理ユニット(左写真の右上)の大きさは,473mm(幅)×426mm(長さ)×725mm(高さ)。電装ユニット(左写真の左下)の大きさは468mm(幅)×200mm(長さ)×280mm(高さ)。対物距離は1mm〜15mm である。右の写真は発生させたプラズマ。プラズマ電力は50W〜200Wで変更可能。
図2:開発したマイクロ波大気圧プラズマ洗浄装置


無料のオープンラボを開設し,用途開発を加速

 大気圧プラズマ装置の研究開発や製品化は,グロー放電プラズマの発見をきっかけに一気に進んだ。今回のレジストアッシングを実現した装置も,すでに液晶パネルの電極端子部のドライ洗浄装置として販売されている。大気圧グロー放電プラズマ装置は,大気圧で動作するUV洗浄装置やコロナ放電のプラズマ装置と比べて洗浄能力が高い(図3)。しかも,マイクロ波大気圧グロー放電プラズマ装置は,減圧プラズマ洗浄装置と比較して同レベルの洗浄能力を持ちながら装置コストは安い。減圧しないため,インライン処理も可能であり,処理速度も速い(表1)。

図3:ドライ洗浄に関する各方式の位置付け
ああああ

表1:ドライ洗浄およびアッシングに関する各方式の特徴
表1:ドライ洗浄およびアッシングに関する各方式の特徴


 こうした特長を持つ大気圧グロー放電プラズマは現在,洗浄だけでなく,各種表面層や膜の改質,殺菌,化学反応・触媒アシスト,排ガス処理など幅広い分野で応用が検討されている。ノーリツ鋼機も,開発したマイクロ波大気圧プラズマ装置の応用分野拡大を検討しており,今回の成果もそうした中から生まれたものである。同社は今後,無料のオープンラボを開設し,ユーザーと共同で同装置の用途開発を加速していく考えだ。




オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
【座談会】レアアース泥の採泥・揚泥は戦略技術、焦らず段階を踏んで確実に商用化を目指す

【座談会】安定・潤沢な国産レアアースの利用に、日本の産業界は飛躍の未来を感じている

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2017年10月-12月)















オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

INTERVIEW Index ブレークスルー技術Index 提案Index コラムIndex イベントIndex お問い合せ