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「文書管理は,“捨てる技術”から」
機密文書総合管理の名参謀を目指す,セキュリティリサイクル研究所


[2009/05/19]

 越後の戦国武将で,名参謀との評価が高い直江兼次の生涯を描いたNHK大河ドラマ「天地人」の放映が好調である。舞台となった現在の新潟県では,天地人の人気による経済的な波及効果への期待も大きく,観光PRや各種の関連イベントなど活気づいているようだ。
 その新潟で,機密文書の総合管理における名参謀を目指すべく活躍中の個性的なベンチャー企業が,株式会社セキュリティリサイクル研究所(SRI,本社:新潟県新潟市,北村愼一代表取締役社長)である。

 企業における情報化やオフィス・オートメーションの進展が普及した結果,多くのビジネス文書はデジタル化され,電子的なファイルの形でパソコンのハードディスクやメディアに保存されることが多くなった。しかし一方で,契約書,経理帳票,カルテといった原本性を求められる文書は,依然紙文書で保存されているのが一般的であり,すべての書類を電子化して100%ペーパーレス化することは現実的とは言えず,かえって非効率にもなりかねない。

 また,電子化された情報と紙のままの情報を統合的に管理することが困難であったり,情報漏えいの事故が発生したりするなど,大きなリスクになる可能性もあり,企業の存続すら脅かしかねない。SRIでは,独特な機密文書管理の仕組みを構築することで,このような状況におけるソリューションをリーズナブルな費用で提供,顧客企業における非常に高い利便性を実現している。
 文書の保管(アナログ)とITによる管理(デジタル)を組み合わせ,顧客にとって最適効率を実現した文書管理サービスを提供しているのが持ち味だ。


個人情報保護の風潮や企業のコンプライアンス重視が追い風に
図1:SRI情報管理センター
 図1:SRI情報管理センター

 SRIのトータルドキュメントサービスでは,紙の書類を保管する一方で,Webベースで保管文書を検索できるようにし,要請があれば30〜60分以内に取り出してPDF化して電送する。
 同社の成長の背景にあるのが,有名な企業で発生した情報漏えい事故の増加や,それに対応した法制度である個人情報保護法や日本版SOX法の施行など,機密文書に対する適切なプロセス管理が企業に求められるようになったことだ。
 現在,同社が廃棄処理する機密文書は,数百社もの顧客企業からの書類を中心に年間2800トンにも上る。また,機密文書の電子化業務では,処理能力は100万枚/月に上る(図1)。


アナログな文書保管サービスにIT技術と独自の仕組みを加え高付加価値化

 大手の倉庫会社などによる従来の文書保管サービスでは,入出庫管理にFAXを使用していた。このため履歴管理が曖昧となり,顧客企業と倉庫会社との間で管理情報が不一致となるなどの問題があった。それに対し,SRIはWebを活用し,保管文書の在庫状況をインターネット経由でリアルタイムで確認することを可能にした。さらにSRIのウェブシステムでは,各種業務の依頼履歴管理,アクセスログ解析,SSL暗号化,ワンタイムパスワード,固定IPアドレスによるアクセス制限など,インターネット銀行並みの高いセキュリティ機能をサポートし,機密情報の漏えいや転職・退職者からの不正アクセスなどへの対策でも万全を期している。

 同社サービスの独自性は,単に文書を保管するだけでなく,文書管理のノウハウを提供する点にある。同社取締役で業務統括事業部本部長の北村真氏は,「機密文書管理では,廃棄つまり捨てる技術が大切。どの文書をいつまで保管するかをまず明確にルール化する必要がある」と言う。このため,同社では顧客にまず文書を捨てる習慣を持ってもらうことから始める。そして,閲覧頻度が低いものはSRIに,頻度が高いものは顧客社内のキャビネットに仕分けすることを助言している(図3)。他の倉庫会社が提供している同様のサービスでは,倉庫のスペースを顧客の文書でどれだけ埋めるかが目的になりがちだが,SRIは顧客に不要文書を捨てて頂くことが目的と言い切る。

 このように,機密文書の保管や廃棄において明確なポリシーとそれに基づいた仕組みを構築できていることがSRIの強みとなっており,価格競争に走ることなく顧客満足度の高い機密文書の総合管理サービスを数多くの著名企業に提供することができている。


セキュリティリサイクル研究所 代表取締役社長の北村愼一氏
 
セキュリティリサイクル研究所・業務統括事業部 本部長の北村真氏
セキュリティリサイクル研究所 代表取締役社長の北村愼一氏
 
セキュリティリサイクル研究所・業務統括事業部 本部長の北村真氏



選択と集中を徹底,キメ細かいサービスで競合企業と差別化

 類似の文書管理サービスを提供する競合他社に対する違いは,同社の選択と集中にも見られる。大手倉庫会社などが次々とこの分野に参入したが,それに対してSRIは主に銀行や保険会社などの金融機関や病院など医療機関の企業や団体に顧客セグメントを絞りこみ,提供するサービスも機密文書の保管や廃棄だけにフォーカスしてキメの細かいサービスを提供している。

 例えば,同じようにWebも導入している競合企業では,文書保管の単位は箱ごとというのが一般的だが,SRIでは書類のファイル単位,さらには一枚単位からでも保管可能という。

 機密文書の保管になぜ外部の業者や余計な費用が必要なのか,と疑問を持つ企業に対しては,「SRIの機密文書保管のメリットをきちんと説明すれば理解してもらえることが多くなった」と北村社長は話す。具体的には,文書管理の一元管理が行えるため人件費や事務所の費用など目に見えない間接費まで考慮すると安上がりであること,インターネット経由のオンデマンド電送によって必要書類が30分から1時間で入手可能であること,さらに企業内で管理するよりも外部の万全なセキュリティ体制での管理の方が責任体制も明確になり情報漏えいなどのリスクがかえって低いことなどだ。


公的な認証も取得,ユニークなアイデアでも評判に

 また,機密文書の管理専門会社として創業以来,同社ではISO9001,ISO27001,プライバシーマークを順次取得,品質保証と顧客満足度向上,個人情報保護,情報セキュリティ対策の確立の統合を進めてきた。

 ベンチャー企業らしいユニークなアイデアでも大きな存在感がある。
 例えば,同社が創業時から手がけている機密文書回収や廃棄抹消のサービスには,「セキュリティボックス たまって箱」と名付けた(図2)。誰でも覚えやすいサービス名称によって,機密文書総合管理サービスの第一歩として企業に導入を働きかける武器としている。
 さらにユニークなのが,「古紙光(こしひかり)」だ(図3)。これは,廃棄や抹消する機密文書を,同社が提携する製紙会社で再生し,トイレットペーパーとしてリサイクルしたもので,同社ユーザーへで販売されている。

図2:SRIのオフィス機密文書回収・抹消サービス「セキュリティボックス たまって箱」
 
図3:廃棄文書をリサイクルして作られた再生トイレットペーパー「古紙光(こしひかり)」
図2
SRIのオフィス機密文書回収・抹消サービス「セキュリティボックス たまって箱」
 
図3
廃棄文書をリサイクルして作られた再生トイレットペーパー「古紙光(こしひかり)」



【資料請求・問い合わせ】
セキュリティリサイクル研究所
ホームページ URL: http://www.sri-net.co.jp/





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