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東工大発ベンチャー企業VTL,室内の見え方統合ソフトウエアを販売開始

[2010/02/01]

 東京工業大学発ベンチャー企業であるビジュアル・テクノロジー研究所(VTL,東京都大田区)は,室内での明るさなどの見え方のデザイン統合ツール「REALAPS」を2009年12月から販売を始めた。同ソフトウエアは建築した後の室内が“どんな明るさで人間にどう見えるか”を疑似体験できる画像をつくれるため,建築設計時に室内の照明設計などを総合的に支援できる。特に,自然光による外光と人工照明の最適な組み合わせによって「建物の照明システムの省エネルギー化を図ることができる有効なツールとなる」と,同社の金谷末子副社長は説明する。
 ユーザーは建築設計事務所や総合建設企業,行政組織などを想定している。「建築後の室内の明るさなどを予測できる統合ソフトウエアの実用化はこれが初めて」という。

 同社は,東工大大学院総合理工学研究科の中村芳樹准教授が室内の輝度画像から明るさ画像を算出するなどの一連の研究成果を基に,その実用化・事業化を目指して,2007年8月に設立された。設立時の資本金は420万円で,代表取締役社長には東工大産学官連携研究員である岩本喜直氏が就任した。中村準教授は取締役CTO(最高技術責任者)に就任し,研究成果をソフトウエアに仕上げる開発を担当した。現時点で,出願済みと出願予定中を含めて7件の特許を持っている。このうち,PCT(特許協力条約)などの海外向け出願件数は3件という。また,国際標準化も目指しているという。

 建築後の室内がどう見えるかのデザイン統合ツールは,室内の明るさ画像と知覚色画像を基に人間が感じる明るさや色を予測し設計に反映させる技術,視認性画像を基にした視認性の評価技術,まぶしさを示すグレア画像の評価技術などを組み合わせたもので,建物の室内の基本設計時に,施主などのクライアントにどんな室内空間になるかを疑似体験できる説明ツールなどに用いられる。

 同ソフトウエアは輝度・明るさを相互変換する基本ソフト(標準価格50万円)に,オプションのプラグインソフトとして本物にかなり近い見え方の疑似画像を出力する「リアル・アピアランス」(同65万円),グレア(まぶしさ)の程度を示すグレア画像を出力する「グエア」(同50万),視認性を示す画像を出力する「ビジビリティ」(同50万円)などの付属ソフトウエア群で構成されている。このほかに,ソフトウエアのバージョンアップなどの保守管理料が購入価格の10%に設定されている。変換エンジンには米MathWorks社の技術計算ソフトウエア「MATLAB」を採用しているという。

 また,同社は室内の見え方デザイン統合ツール「REALAPS」を用いた照明設計用の光環境シミュレーションの委託事業も実施する。人工照明のみ,自然光のみ,人工照明と自然光の組み合わせよる光環境シミュレーションを1件当たり20万円から引き受ける。さらに,輝度測定に輝度画像の出力に基づくコンサルティング事業も実施する。こうした委託事業を通して,室内の見え方デザイン統合ツール「REALAPS」の実力をクライアントに示し,販売促進につなげる構えである。当面は,基本ソフトにプラグイン数本を組み合わせたセットを1年間当たり20〜50セット販売する事業計画を立てている。

(日経BPプロデューサー 丸山正明)


株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所
URL:http://www.vtl.co.jp/


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