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スクリーン印刷ポリイミド膜形成のオープンラボ
ピーアイ技研が装置メーカーなど4社とサービス開始
[2011/01/12]

  ポリイミドインクを開発・販売するピーアイ技術研究所は、スクリーン印刷機やスクリーン版メッシュ、版洗浄機の提供メーカー4社と共同で、パワー半導体の保護膜などを形成可能なオープンラボ「O Labo(オーラボ)」の試作サービスを開始した。ユーザーはポリイミド膜評価用試料をピーアイ技研に提供することによって、スクリーン印刷で形成されたポリイミド保護膜の評価が可能になる。
 パワー半導体の保護膜は、これまで非感光性ポリイミドをスピンコートした膜が使用されていた。このような従来法では、露光、現像、エッチングなどの工程があり、作業時間が長かった。スクリーン印刷法を使えばこうした工程を簡略化でき、パワー半導体の製造コスト低減につながる。また、従来法と比べてレジストの使用効率もはるかに高い。ピーアイ技研はパワー半導体以外にも、ウエハーレベルCSP、太陽電池、MEMS、ELなどの分野で同ラボの利用を期待している。

 今回のO Laboには、スクリーンマスクメーカーの東京プロセスサービス、スクリーン印刷機メーカーのニューロング精密工業とマイクロ・テック、マスク洗浄機製造のOKIコミュニケーションシステムズの4社が協力している。
 O Laboを担当するピーアイ技研開発部瀬川繁昌氏は「パワー半導体などの分野でスクリーン印刷が普及してこなかった背景の一つとして、インクメーカーや装置メーカー、スクリーンマスクメッシュ・メーカーが個々に事業を展開しており、ユーザーにワンストップのソリューションを提供できていなかったことがある」と分析する。「今回のO Laboを通してそれぞれの企業が専門性を生かしてユーザーをサポートすることによって、そうした普及の壁を乗り越えたい」と同氏はO Labo事業の抱負を語る。
 同社はO Laboのユーザーに対して4社共同でのスクリーン印刷工程の導入支援も実施する。今回のO Laboを通してユーザーにスクリーン印刷工程を理解してもらい、形成した保護に対する高い信頼性も確認してもらえるとしている。

図1:ピーアイ技術研究所の鳥浜工場内に設置されたオープンラボ「O Labo」
ピーアイ技術研究所の鳥浜工場内に設置されたオープンラボ「O Labo」

 O Laboはピーアイ技術研究所の鳥浜工場内に設置されている。O Laboにはスクリーン印刷機やスクリーンマスク洗浄機のほかに、乾燥機や膜厚測定機、外観検査・写真撮影用の顕微鏡などが装備されている(図1)。
 利用手順は次のようになる(図2)。
 @ユーザーがピーアイ技術研究所に試作を依頼する。次にA膜のパターン形状、膜厚、スケジュールなどに関する打ち合わせが行なわれる。B形成するパターンに応じて使用するスクリーンマスクの種類(メッシュ数等)が決定される。その後、Cその決定に基づきスクリーンマスクが製作される。D製作したスクリーンマスクとユーザーから提供される試料を使ってスクリーン印刷によるポリイミド膜の形成が行なわれる。さらにEポリイミド膜を形成した試料は顕微鏡によるパターンの写真撮影が行なわれ、形成された膜の厚さや形状などの測定も実施される。Fこうして測定された資料を添付してポリイミド膜を形成した試料がユーザーにフィードバックされる。
 ユーザーが希望すればポリイミド膜の形成工程に立ち会うことが可能で、更に希望があればスクリーン印刷機メーカーから装置の説明を受けられる。試作サービスの料金は作業量に応じて変化するが、1日(8時間)の作業当たり10万〜20万円。依頼から試料のフィードバックまで最短で2週間程度を要すると瀬川氏はいう。

図2:「O Labo」の利用の流れ
「O Labo」の利用の流れ

使用するポリイミドインクは室温保存可能、膜厚2〜3μmで解像度約50μm

 スクリーン印刷に使うポリイミドインク「Q-IP-X0897」はピーアイ技研が開発したもの。高解像度、厚膜の形成が可能(図3)。形成されたポリイミド膜は透明である(図4)。解像度は膜厚に応じて変化するが、膜厚2〜3μmで解像度約50μm、膜厚10μmで解像度約200μmである。このポリイミドインクは室温での保存が可能で、製造現場おいて取り扱いが容易である。
 印刷工程は次の4工程から成る。@スクリーン印刷、Aレベリング(泡出し:室温、3分)、B仮乾燥(90℃、30分)、C本乾燥(150℃、60分と250℃、30分の二段乾燥)である。
 厚膜にする場合は、スクリーン印刷工程から仮乾燥工程を繰り返す。6回の繰り返しで23μm、10回で45μmの厚膜が形成できる。また、このポリイミドインクは化学反応による収縮がないため、低応力でウエハーの反りの緩和にもつながる。Si基板との密着性もよい。

 ピーアイ技研は2011年1月19日(水)〜21日(金)に東京ビックサイトで開催される第40回インターネプコン・ジャパンで、O Laboの協力企業であるニューロング精密工業のブースの一部を使って同ポリイミドインクおよびその技術を展示・公開する予定である。

(宮崎信行=テクノアソシエーツ)

図3:ポリイミドインク「Q-IP-X0897」を使ってスクリーン印刷で形成されたパターン
  (注)写真では膜厚が7μm、17μmだが、2〜3μmのポリイミド膜も形成可能。
ポリイミドインク「Q-IP-X0897」を使ってスクリーン印刷で形成されたパターン

図4:透明な膜を形成可能
透明な膜を形成可能



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