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コラーゲンの成長分野として生活習慣病領域を開拓、新田ゼラチン
糖尿病改善効果を示唆

[2016/10/27]

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 新田ゼラチンは、機能性食品素材として多様な商品に配合されているコラーゲンで、新規エビデンス開発を強化する。主力の美容領域に加え、新たな成長分野として生活習慣病領域に着目。2016年9月に開催された日本アミノ酸学会では、コラーゲンの糖尿病改善効果に関してポスター発表した。
 世界の糖尿病人口は4億人を超え(2015年)、国内では予備群含めると2000万人に上ると言われる糖尿病市場。同社は、機能性素材としての認知度を生かし、糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善が期待できる素材としてコラーゲンを展開する方針。


コラーゲンペプチド摂取による糖尿病改善効果を確認

 同社は、ゼラチンを酵素分解して数個〜数十個のアミノ酸にしたコラーゲンペプチドの製造・販売大手。市販のコラーゲンサプリメントやドリンク等の多くに採用されている。
 同社のコラーゲンペプチドは、2つのアミノ酸が連なったコラーゲン特有のジペプチド(ジは2つという意味)である、プロリル・ヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)やヒドロキシプロリル・グリシン(Hyp-Gly)を多く含むのが特徴。分子量が小さいため体内への吸収性が高く、口から摂取すると、腸管から吸収され血中に移行し(J Agric Food Chem 53(16):6531-6, 2005)、様々な生理活性を発揮することが確認されている。これまで肌のシワ改善・保湿作用や関節痛の軽減効果、褥瘡(床ずれ)の改善効果などが報告されている。
 今回、新たにコラーゲンペプチドの糖尿病改善効果が示唆された。21歳〜50歳の糖尿病患者を2グループに分け、1日1回、片方はコラーゲンペプチド10g、もう片方はコントロールとして難消化性デキストリン10gを12週間摂取してもらった。3週間ごとに、空腹時血糖値、HbA1c、インスリン抵抗性を測定し、改善効果を検証した。
 その結果、難消化性デキストリン群と比べ、コラーゲンペプチド群は、空腹時血糖値、HbA1cが低下し、いずれも正常範囲まで有意に改善した。インスリン抵抗性は、正常範囲までは下がらなかったが、摂取前と比べ、有意に改善した。現在同社では、本研究内容について論文投稿を準備しているという。


メーカーの商品開発支援を強化

 同社ペプチド事業部主任の小泉聖子氏は、「コラーゲンペプチドが腸管で吸収される前と後の2段階で作用している」と見る。口から摂取したコラーゲンペプチドは小腸に到達し、腸管に存在するL細胞を刺激。体内でインスリン分泌を促進するホルモンGLP-1の分泌を促進する。次にコラーゲンペプチドは腸管から体内に移行し、GLP-1を不活性化する酵素DPP4の働きを阻害する(図1、図2/J Med Food.19(9):836-43,2016)。DPP4阻害薬やGLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療に広く利用されている。
 「糖尿病患者では、DPP4の活性が高いことが知られる。GLP-1とDPP4の双方に働きかけることで、糖分の吸収を緩やかにし、糖尿病の病態を改善すると考えられる」(小泉氏)。

図1●コラーゲンペプチドの濃度別に、DPP4の阻害率を測定
図1●コラーゲンペプチドの濃度別に、DPP4の阻害率を測定
(J Med Food.19(9):836-43,2016)
図2●コラーゲンペプチドを細胞に添加し、60分後の活性型GLP1を測定
図2●コラーゲンペプチドを細胞に添加し、60分後の活性型GLP1を測定
(J Med Food.19(9):836-43,2016)

 コラーゲンペプチドは、医薬品のような高い効果は見込めないものの、低血糖のような副作用の心配が少ない。医薬品との併用で、投薬量を減らせる可能性も期待できる。糖尿病改善効果だけでなく、肌や骨関節に対する効果を得られるのもメリットと言えそうだ。今後は、糖尿病予備群を対象にした試験や、別の食品素材との比較対照試験などを通じて、糖尿病に対するコラーゲンペプチドの機能性をさらに検証していく方針。関連エビデンスを積み上げ、メーカーの商品開発支援を強化する。


新田ゼラチン社 コラーゲンペプチド 機能性研究情報サイト「Wellnex」


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