技術&事業インキュベーション・フォーラム

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへお問合せ



人工知能、シンギュラリティの本質

[2016/12/13]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • Clip to Evernote

 「2074年7月14日、人間向けの放送局は、AIロボット政府に対して人権回復を求める人間の暴動がパリ、ロンドン、ニューヨーク、東京、北京で同時に発生したことを一斉に報じた。2045年にAIが人間の能力を超え、人間は徐々にAIロボットに仕事を奪われた。その後、人間は高度な仕事をこなすAIロボットのアシスタント業務を担当するようになった。創造性を失った人間は、AIロボットの奴隷と化した。そして今、人間がかつて享受していた人権を求めてAIロボット政府に反旗を翻した」――。
 これは「シンギュラリティ」の行き着く先を空想してみた世界である。

 シンギュラリティとは一般的には数学的な特異点を意味する。ただし、ここでいうシンギュラリティとは、発明家で実業家でもあるレイ・カーツワイル氏が2006年の著書「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」中で予測した技術的特異点を意味している。同氏は2045年に技術開発が特異点を迎え、人工知能は人間より遥かに賢く、自ら考え、行動し、人間を超える生命体となると予測している。

 この予測が一般的に知られ、議論されるようになったキッカケとして、一つはディープラーニングと呼ばれる人工知能研究の進化であり、もう一つは世界的に著名な宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士が「人工知能の開発は人類に終わりをもたらす可能性がある」と警鐘を鳴らしていることである。
 ディープラーニングは、人間の脳の処理を模したニューラルネットワークの学習方法の一つである。
 Googleは、YouTube上の画像を使ってコンピュータが自ら、人の顔、ネコの顔、人の体を区別できることを証明した。人間がプログラムする、あるいは学習させることなく、コンピュータ自身が自己学習で人の顔、ネコの顔、人の体を区別できた点が画期的で、コンピュータ、すなわち人工知能がこれまでとは全く違ったフェーズに突入したことを意味する。
 それを敏感に感じて反応したのがホーキング博士である。同氏は人間の遠隔操作を離れ、自律的な判断で行動する人工知能兵器の開発禁止を求める書簡を公開した。その書簡には、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏やテスラモーターズCEO のイーロン・マスク氏といった多数の著名人が名を連ねる。


シンギュラリティの本質とは
人工知能における知識の進化と再生プロセスにある?

 現在、生命の頂点に立つ人間の本質とは何か。いろいろと議論はあろうが、人工知能との対比で二つの点から検討したい。
 一つは自ら学習することによって知識を進化させることである。創造という行為も集積した知識の進化なくしては生まれない。もう一つが生殖、すなわち生命体の再生行為による進化である。突然変異も含め、生命は死と再生のプロセスを経て進化してきた。この二つの点から、今の人工知能の進化の可能性を検討してみる。

 自ら学習することによって知識を進化させるという点については、まだ初歩的ではあるものの前述のGoogleによる実験により、人工知能がクリアできる可能性が示されている。
 一方、生命の再生プロセスを経る進化についてはどうか。現時点で確たる証明事例はないものの、高度な人工知能が搭載されたロボットが自らより高度なロボットを開発・製造する姿は容易に想像される。
 もはや、知識を進化させるというソフト面での進化も、生命の再生プロセスによるハード面での進化も、今の人工知能は人間の本質をクリアできる可能性を秘めているということができる。

 将来、人工知能は確実に自ら物事を考え、ソフト面、ハード面でも自分の能力・機能を進化させていく世界が訪れるだろう。あながち、冒頭の空想も荒唐無稽なものと切り捨てることはできないかもしれない。

宮崎信行=テクノアソシエーツ


【PR】静岡県企業の有望技術・製品を紹介「Open Innovation静岡」




オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
【座談会】安定・潤沢な国産レアアースの利用に、日本の産業界は飛躍の未来を感じている

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2017年1月-2月)










オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

お問い合せ イベントIndex コラムIndex 提案Index ブレークスルー技術Index INTERVIEW Index topへ テクノアソシエーツへ