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パナソニック、耐酸被覆鋼板を活用するパートナーを開拓
建造物以外の用途開発を強化、サンプル提供も

[2018/8/28]

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 パナソニックは、大型建造物の屋根材などに使用する耐酸被覆鋼板の用途開発を目指し、パートナーの開拓を強化する。同社の耐酸被覆鋼板は、鋼板表面に耐酸難燃性高分子樹脂を被覆したもので、工場やプラント、空港・港湾、スポーツ施設等の大型建造物・インフラの屋根材、外装材として利用されている(図1)。

 同社米原工場工場長の中村元彦氏は、「1970年代より提供している当社の耐酸被覆鋼板は、主に、頻繁に交換することが難しい大型施設や建造物の屋根に利用されている。鋼板を厚膜の樹脂で包み込むことで鉄の強度と樹脂の耐候性等を併せ持っており、サビや酸・アルカリに強く、摩耗しにくい。こうした特性を活かし、建造物以外への応用を目指す」としている。用途開発に関心を持つ企業には、耐酸被覆鋼板のサンプル提供に対応する。


図1●パナソニックの耐酸被覆鋼板「屋根コイルE」と施工事例
図1●パナソニックの耐酸被覆鋼板「屋根コイルE」と施工事例

接着剤や樹脂コーティング法に独自ノウハウ

 屋根は、雨や雪、雹(ひょう)のほか、石やごみなどの飛来物、鳥の糞、また、工場地域も厳しい条件にさらされる過酷な環境下にある。一般的に塗装鋼板では表層の塗膜面を損傷すると錆の発生や劣化を引き起こすが、同社の耐酸被覆鋼板を屋根材に採用した建造物では、20年近く前に施工した事例においても目立った損傷は見られない。

 背景にあるのが、同社のものづくり技術だ。鋼板と樹脂を高い密着性で接着する接着剤や接着工法、樹脂のコーティング法に独自ノウハウを有し、「接着剤および樹脂の成分配合や厚みを、目的に応じて最適なバランスでコントロールできる」(パナソニック外廻りシステムビジネスユニット商品・技術開発部材料技術開発課主務中川雅貴氏)。

 材料技術の専門チームを設け、複数の接着剤の配合、接着剤を鋼板に塗る厚さや乾燥時間を最適化。さらに鋼板に数十μmから数百μm(1μmは0.001mm)の厚さで樹脂の厚みをコントロールすることで、衝撃やサビへの耐性を高めている(関連記事)。

鉄と樹脂の強みを生かした用途開発に期待

 現在は大型建造物の屋根材という限定的な利用に留まっているが、同社は、耐酸被覆鋼板の応用用途は広いと見る。同社外廻りシステムビジネスユニット事業戦略・商品企画部部長川村正英氏は、「鉄は強度は強いが、サビには弱い。樹脂は強度は弱いが、サビは発生しない。両者を複合することでお互いの弱点を補完し、強みに変えることができる。また、耐酸性が高い素材ではステンレスが知られているが、加工しにくい。鉄と樹脂で構成された耐酸被覆鋼板はステンレスと比較して加工性が高く、価格はステンレスより安い。被覆する樹脂の成分を調整することで、通電性や絶縁性、電磁波吸収、断熱、遮音など様々な機能を付加したり制御したりできる。建材以外の幅広い用途へ展開したい」と意気込む(図2)。


図2●パナソニックの耐酸被覆鋼板は鉄と樹脂の特性を併せ持つ
図2●パナソニックの耐酸被覆鋼板は鉄と樹脂の特性を併せ持つ

ソリューションとして用途を開拓

 実際、耐酸被覆の応用分野は幅広く、建材に加えて自動車や液晶、電池、半導体、エネルギー、医薬、バイオ、船舶、食品、農業などでの研究開発が進んでいる(関連記事)。同社は、外部のパートナー企業と連携した用途開発を強化する目的で、耐酸被覆鋼板のサンプル提供を始めた。新たに開発した用途をもとに、単なる部材売りではなく、ソリューションビジネスとして提案することも検討するという。


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