(株)テクノアソシエーツ TOPページへ テクノアソシエーツサイトへ

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへコラムへ

J-Bio21,肥満遺伝子3種の多型を同時に解析
産総研発の「QP法」で迅速,簡便,正確に


[2008/01/24]

 独自の遺伝子解析技術「QP法」の実用化を進めるJ-Bio21は,代表的な3種類の肥満遺伝子のSNP(一塩基多型)を,1回の解析で同時に検出することに成功した。QP法は,産業技術総合研究所と日鉄環境エンジニアリングが共同で開発した国産の遺伝子解析技術で,(1)1工程の作業で解析が完了する,(2)低コスト,(3)複数のSNPを同時検出可能,といった特徴がある。
 肥満遺伝子などを対象に,個人の遺伝子多型を調べ,体質に合ったライフスタイル等を提案する体質診断ビジネスが立ち上がる中,QP法は,迅速,簡便,高精度にSNPを検出する技術として期待がかかる。今回の成功を受け同社では,「肥満遺伝子を対象とした体質診断ビジネスへの参入を拡大するとともに,その他の遺伝子への適用を検証していく」(同社技術部長の蔵田信也氏)と意気込む。

1/3の時間,コストでSNPを検出可能に
【図1】QP法にSNP検出原理
QP法にSNP検出原理
 QP法は,Qプローブと呼ばれる蛍光色素を付加した遺伝子断片を用いる遺伝子解析手法。Qプローブは,標的遺伝子に結合すると消光し,温度を上げるなどして解離させると発光する。標的遺伝子にSNPが存在すると,結合が弱いため,低い温度でも解離が起こる。対象領域の配列をPCRで増幅後,この原理を利用して,温度解離曲線を分析すれば,SNPの有無を判定することができる(図1)。

 今回,対象とした3つの肥満遺伝子は,β3アドレナリン受容体遺伝子(β3AR),β2アドレナリン受容体遺伝子(β2AR),アンカップリングプロテイン遺伝子(UCP1)。ヒトの口腔スワブを用いて,それぞれのSNPにおいて各遺伝子型を明確に判別できる条件を確立した。具体的には,3種類のSNPを同時に検出するための蛍光色素の組み合わせ条件,PCRプライマーの配列等を検証した。
 確立した条件を用いて,50サンプルのSNPを解析した結果,いずれも遺伝子配列解読結果と一致した(図2)。「これまで1サンプルにつき解析を3回行う必要があったが,QP法を使えば,1回の反応で済む。必要な時間やコストが3分の1になり,作業効率が向上する」(蔵田氏)という。
 また,国内の研究グループはJ-Bio21の「QProbe」を用いて薬物代謝酵素であるチトクロームP450(CYP450)2C19のSNP解析に成功しており(※1),臨床応用に向けた取組みも進んでいる。海外技術を中心に,SNP解析の臨床応用が進む中,純国産の技術であるQP法がどこまで市場に支持されるか,注目したい。


【図2】肥満遺伝子のSNP検出結果 (※1)
「Single nucleotide polymorphism genotyping of CYP2C19 using a new automated system」
論文番号Analytical Biochemistry 370 (2007) 121-123
肥満遺伝子のSNP検出結果



【テクニカルノート】
  J-Bio 21からの提案 遺伝子検出技術「QP法」を活用した遺伝子検査製品開発に関する意見交換の提案 [2008年01月28日]

【関連記事】
  長いゲノムDNAを切らずに個別操作,東大
  染色体DNAをファイバ化する新技術を開発,京都大学
  独自遺伝子解析技術「ジェノパターン法」の臨床応用を目指す





| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

INTERVIEW Index ブレークスルー技術Index 提案Index コラムIndex イベントIndex お問い合せ