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SIJテクノロジ,従来インクジェットプリンタの1000倍の高粘度な液滴の吐出に成功 [2008/12/17]
産業技術総合研究所の技術移転ベンチャーSIJテクノロジは,同社のスーパーインクジェット装置を使って,従来インクジェットプリンタの1000倍の高粘度液滴を吐出することに成功した(図1)。同装置は,すでに1fl〜10pl(フェムトリットル フェムトは10のマイナス15乗)の液滴の吐出が可能であることが発表されており,チャネル長1μmの有機トランジスタのソース・ドレイン電極の形成に使われている。同社は今回,1万cps(センチポアズ=mPa・s)と高粘度で微量な液滴を吐出できることを明らかにした。「高粘度で微量の液滴の吐出に成功したことで精密ディスペンス用途や各種接着剤の他,金属バンプや金属配線の形成にスーパーインクジェット装置が利用でき,広範囲な応用が期待できる」,とSIJテクノロジは言う。 従来インクジェットプリンタには,圧電素子を用いるピエゾ方式や,加熱してノズル内で気泡を発生させるバブルジェット方式のインクジェット技術が使われている。SIJテクノロジは詳細を明らかにしていないが,同社の装置には産総研の研究成果をコア技術とした,独自開発の方式を使っていると言う。これまでのインクジェット技術では,高粘度,微量の液滴の吐出は,実現が難しかった。吐出できる液滴の粘度は10cps程度で,液滴の最小直径も1pl で12μmだった(図2)。このため使用できる溶液も限られていた。 SIJテクノロジは,このスーパーインクジェット装置を広い分野に展開したい考えだ。有機トランジスタなどのデバイス分野だけでなく,微細化,3次元化が進む実装技術やバイオ,有機ELなどの分野も視野に入れて装置開発を進めている。例えば金属バンプなどの形成ではエッチング工程を省くことが可能で,金属バンプの立体構造を簡易に形成できる(図3)。これは,flという微量の液滴の速乾燥性と,0.5μmと微細な液滴を精度よく同一個所に吐出させることができるためである。 同社は今後,装置の販売ビジネスだけでなく,材料開発,工法開発などの試作支援ビジネスなどにも力を入れる考えだ。さらに,スーパーインクジェット装置の特徴を生かし,DNAマイクロアレイ作成といった医療機器などを含め,広範な分野の企業と共同で装置開発も進めたいとしている。
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