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つくばテクノロジー,配管などの最小1mm程度のキズを可視化する
レーザー超音波可視化検査装置を製品化

[2009/01/20]


 産業技術総合研究所の技術移転ベンチャー,つくばテクノロジーは,配管や鋼板のキズを可視化するレーザー超音波可視化検査装置を2008年12月に製品化した。この装置は,波長1053 nm,パルス幅30nsのレーザーを被検体である配管や鋼板に当てて熱ひずみによる超音波を発生させ,キズからの反射波を受信センサで観察するというもの。被検体の表面をレーザーでスキャンすることによって,被検体の広い範囲の可視化映像を短時間で合成可能だ。あたかも湖面に生じた波のようにキズからの反射波を映像化できる。

 百聞は一見に如かず。まずは,図1を見てほしい。この映像は,寸法1m×1m,板厚2mmのアルミニウム合金ワイド試験片の裏面に深さ右から1,1,1,1,2,2,2mm,長さ右から1,2,4,8,8,4,2mm,幅0.3mmのキズを7箇所設け,800mm離れた位置に置いた斜角探触子(90°,1MHz)から発振された超音波がキズによって散乱される様子を可視化した映像である。可視化範囲は400×200mmである。

 これまでにも超音波による検査装置はあったが,受信センサで検出した1次元の信号波形を解析し,複雑な波形の中からキズによる波形の乱れを解析しなければならないため,熟練技術が必要だった。また,従来装置では,一度に検査できる範囲が限られる。広い範囲を検査するには発信器や受信センサの位置を変えなければならず,多くの時間を要していた。
 これに対して,つくばテクノロジーのレーザー超音波可視化検査装置は,キズの有無を動画映像で判定するため,熟練技術は不要である。しかも,レーザーをスキャンさせることによって短時間で広い範囲を検査できる。複雑な形状を持つ被検体でも検査可能だ。

 図1:湖面に生じた波のようにキズからの反射波を映像化
    1m×1m t2試験片複数裏面スリット
図1:湖面に生じた波のようにキズからの反射波を映像化

 図2:製品化するレーザー超音波可視化検査装置
図2:製品化するレーザー超音波可視化検査装置


 このレーザー超音波可視化検査装置の特徴は,超音波の受信側ではなく,発振側をスキャンして超音波伝搬映像を計測する点にある。
映像の合成には,超音波伝搬の相反性を利用する。相反性とは,送受信の方向を逆にしても,受信波形が変化しないというもの。図3は,欠陥(曲率半径20mm,深さ4mmの球面溝)を挟んで斜角探触子Aと垂直探触子Bを配置し超音波の送受信を行ったときの波形だ。発振特性と受信特性がA,Bで同じであり,Aで超音波を発生させてBで受信する場合と,その逆の場合で波形はほぼ一致している。この相反性によって,レーザーをスキャンさせて固定受信センサで検出した信号波形から,受発信を逆にした場合の波形映像を合成できる。

 図3:圧電センサにおける超音波伝搬の相反性
図3:圧電センサにおける超音波伝搬の相反性


 図4が,超音波伝搬可視化システムの模式図である。パルスレ−ザーから周期的に発振されたレーザー光を被検体表面に高速スキャンさせる。レーザーのエネルギーは,被検体の表面にキズが付かない5mJ以下に抑えられている。レーザーによる熱ひずみによって超音波が発生し,その波形を受信センサで検出する。検出された波形は,A/D変換されてパソコンに収録される。製品化する装置では,100×100の走査点の映像を10秒で測定し,パソコン画面上で1秒間に30コマのスピードで映像化できる。
 同技術を開発したつくばテクノロジーの技術アドバイザーで産業技術総合研究所主幹研究員の高坪純治氏は,「パルスエコー法などの従来技術は,熟練者による『聞く技術』である。非熟練者でも分かりやすい『視る技術』にすることによって超音波探傷技術をもっと広く世の中に普及させることができる」と語る。

 図4:レーザー超音波可視化検査装置の構成
図4:レーザー超音波可視化検査装置の構成








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