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インターネット取引を最大限に効率化,
飛躍的な売上げ増加につなげる試み
旬材,産総研ベンチャーの予約システム技術を試験導入へ

[2009/02/17]


旬材・代表取締役社長の西川益通氏
旬材・代表取締役社長
西川益通氏
インターネットのインフラがおよそ整備された現在,インターネット上での取引はごく普通に行われるようになった。鮮魚のインターネット取引の大手,旬材はこの程,そのインターネット上での取引を最大限に効率化させるシステムを導入し,売上げを飛躍的に向上させる取組みに乗り出した。旬材・代表取締役社長の西川益通氏に,そのシステムを導入する背景とその期待について聞いた。







インターネット取引を最大限に効率化するからくり

 この予約システムは,もともと,航空券やゴルフ場の先行予約システムとして独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)が基盤技術を開発し,産総研ベンチャー企業であるYuuZuuが事業化した技術である。例えば,10時便でも11時便のどちらでもかまわない旅行客(顧客)に『どちらでも良い』予約をさせて,その分,割引を実施。緊急でどうしても10時離陸の便を欲しいという別の顧客が入ってきた時にプレミアム価格を付けて提供し,座席数に限りある旅客券を最大源に効率的に活用できるシステム技術だ。 このようなロジックは,旬材が提供する鮮魚のインターネット取引にまさに効果的,とこの予約システム技術の開発者である産総研主任研究員の宮下和雄氏(兼 筑波大学大学院准教授)と意気投合し,早速,長崎県対馬市のケースでシミュレーションを行うことになった。その仕組みはこうだ。
 対馬にある漁港は全部で15漁協あるそのうち3漁協を対象にする。漁港で揚げられる魚は種類もばらばらで漁獲量の変動も大きい。対する買い手(外食・消費地仲買・量販等)は欲しい魚の種類,取引量を“仮予約”しておく。もし設定の日に欲しかった魚の漁獲量が足りない場合には,代わりでもよい魚に優先順位をつけて登録しておく。その代わり,買い手はその分,割引料金で購入できる。当日朝に対馬の全ての漁港に上がった魚の種類,漁獲量,画像等の鮮度情報が旬材のシステムに集約され,一港では取引単位としては漁獲量が少なすぎる魚も全て合算され,複数買い手のニーズに最大効率で見合うように割り当てられる。漁業者にしてみれば漁獲が少ない魚も残ることなく毎日確実に売り切れる。鮮魚は文字通り鮮度が命。在庫が全くでないYuuZuuの予約システムは願ったり叶ったりだ。買い手側の予めの登録制なので,せりで突発的な高値になることも防げる。


漁業を取り巻く危機

 西川氏は25年来ヤンマーで漁船の開発・販売に係わってきた。深く漁業にかかわってきた中で,漁業界の行く末に一抹の不安を感じていたという。「漁業者人口はかつて120万あったが,現在は約20万まで減ってしまった。しかも20万人の内50%が65歳以上。このままでは5年後は10万人,10年後は壊滅的な状況になる。どうにか漁業界を活性化させないといけないと思った」(西川氏)。
 1970年代に200海里水域が設定され,多くの漁業者が沿岸,沖合でしか操業できなくなった。その結果,水揚げの多くは『規格外品』と呼ばれる本来狙っていた以外の魚や,漁獲量が少ない魚,サイズがばらばらの魚などが増えたという。一方で,買い手側は,昔の町の魚屋から大型スーパー,量販店などの大量取引を行う業者が多くなり,規格外品などの魚は流通にのり難くなった。「せっかく港に揚がっても,買い手が上手く見つからず目的外使用や廃棄が増えるだけで,特に漁獲量の少ない離島では深刻な状況になっている」(西川氏)。
 何とかしないとの決心で,2002年にインターネット取引による魚卸業,旬材を立ち上げた。市場にのらない鮮魚を少しでも流通させたいという思いだった。翌年,隠岐の島で試験的にインターネット取引を開始。通信インフラはNNTの協力を得て構築した。その後,農林水産省水産庁補助事業(平成19年・20年度キャリア活用型 再チャレンジ支援事業),経済産業省農商工連携支援事業(平成20年度)の助成等を得てシステム全体を体系化してきた。そんな時,産総研の宮下氏から西川社長のもとに連絡が入った。YuuZuuの予約システムを組み入れることでインターネット商取引の効率を最大化させることができる,ということだった。

 現在,旬材では対馬での商取引のタイミング等,実際の運用を想定したシミュレーションをYuuZuuとの共同で進めている。今夏には対馬で実施運用される見通しだという。「規格外品を集めてインターネットで人海戦術的に捌いていた以前の手法とは違い,あちらこちらの港で揚がった魚の種類,漁獲量,鮮度情報を最大効率化して顧客に提供できる。漁業者,買い手の双方にとってWin-Winな状況を生み出せる。売上げに対する効果は飛躍的に上がるものと期待している。このシステムを全国の漁港に広げていきたい」と語る(西川氏)。










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