技術&事業インキュベーション・フォーラム

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへイベント・セミナーお問合せ


エフアイエスが燃料電池車の安全性向上に向けた
半導体水素センサーの事業を強化


[2005/04/15]

 半導体ガス・センサーの大手であるエフアイエスが,燃料電池車の安全性向上に不可欠な水素センサーの事業を強化することを明らかにした(図1)。半導体ガス・センサーは,他の方式のガス・センサーと比較して,感度,応答速度,寿命,メンテナンス性(フリー),価格,他の電子回路との集積,消費電力の面で優位性がある。同社は,自動車メーカー各社の要求仕様に合ったセンサーをカスタム開発できる体制を整えることで,燃料電池車における水素センサー市場での高シェア獲得を狙う。

図1:エフアイエスの半導体水素センサー
図1:エフアイエスの半導体水素センサー

 2008年頃に量産車が登場する可能性のある燃料電池車では,燃料である水素の漏れが起こっても爆発などにつながらないようにするための安全性確保が実用化に向けた必要条件である。水素は空気中の濃度が4〜75%の範囲で爆発の可能性が出てくる。そして厄介なことに,水素は漏れやすく,また,ちょっとした火花でも着火しやすいため,最も危険な爆発力のあるガスである。加えて,現在試作している燃料電池車の水素貯蔵量では,現状のガソリン車やハイブリッド車と比較して航続距離が短く,水素タンクの高圧化によるエネルギ密度の高い水素貯蔵技術の採用が検討されている。水素漏れによる爆発予防技術の必要性は,ますます高まっていく。
 爆発を未然に回避するためには水素漏れを早期に検知し,水素タンクのバルブを閉じるなどの対応をする。このため,高圧水素タンク周辺の配管,パワー・コントロール・ユニット,キャビン内などに水素センサーを複数搭載することになる。たとえば,各自動車会社から限定リース販売されている燃料電池車「FCHV」では,1台当たり3〜5個の水素センサーを搭載している。
 半導体ガス・センサーを供給できる企業は少ない。このため,他の方式のセンサーに対する優位性が認められれば,同社は高いシェアを確保することができる。かつては国内外の家電メーカー(松下電器産業,米Motorola, Inc.,東芝など)が研究開発を進めていたが,すでにそのほとんどが事業化を断念して撤退している。これは,長期間に渡っての安定した特性の実現や検知するガスの種類の峻別に向けた感ガス体の製造技術が非常に難しいからである。
 一般的に半導体ガス・センサーでは,半導体の性質を持つ酸化スズ (SnO)を用いた感ガス体とヒーターを同じ基板上に形成した構造を採っている。使用時には,対象ガス検出に適した温度で加熱する。そして,感ガス体表面に吸着した酸素と一酸化炭素,メタン,プロパン,水素,アルコールなどの還元性ガスの間で酸化反応が生じることによって,スズ半導体の抵抗値が変化する(図2)。酸化スズの粒子を焼結して多孔質の材料を作るための技術や検知するガスを峻別するための添加物の種類や添加方法に同社のノウハウがある。

図2:半導体ガス・センサーの動作原理
図2:半導体ガス・センサーの動作原理

 燃料電池車など自動車向けには,保証すべき動作温度範囲が−40〜+125℃と他の用途よりも厳しい要求がある。また,各自動車メーカーには独自の安全性確保に向けた仕様の要求がある。水素センサー自体は,同社の標準製品としてラインアップしているが,燃料電池車向けは各社の要求に合った製品をカスタム開発していく予定である。


 エフアイエスの半導体水素センサーに関する問い合わせ先:
     エフアイエス株式会社
センサ応用技術グループ 担当:小野靖典
〒664-0891
兵庫県伊丹市北園 3-36-3
TEL:(072)780-1800
URL:http://www.fisinc.co.jp/
E-mail:ono@fisinc.co.jp


記事要点掲載先:日経BP.JPLSI OPEN Collaboration

オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
東京大学レアアース泥開発推進コンソーシアム、第4年度活動報告会を開催〜海洋第2期SIPにも積極的に協力

パナソニックの住宅関連事業を支える耐酸被覆鋼板、接着技術や樹脂コーティング法に独自ノウハウ

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2018年8月)










オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

お問い合せ イベントIndex コラムIndex 提案Index ブレークスルー技術Index INTERVIEW Index topへ テクノアソシエーツへ