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のぞみフォトニクス 株式会社 代表取締役 梨本恵一氏に聞く
思ってもみなかった応用分野を発掘,
自社とは違った角度から自社技術を見直すことができる


[2005/09/21]

のぞみフォトニクス 代表取締役
梨本恵一氏のぞみフォトニクス 代表取締役 梨本恵一氏
梨本恵一 工学博士
富士ゼロックスへ1983年に入社後,米MIT客員研究員,米Xerox PARC客員研究員,富士ゼロックス主任研究員,プロジェクトマネージャー,富士ゼロックス・ライトウェーブテクノロジーズ代表取締役社長を歴任。
 薄膜光導波路技術の研究開発,同技術によるデバイスのマーケティング,および事業化などを手がけ,2002年10月にのぞみフォトニクス株式会社を創業。2004年5月,のぞみフォトニクス代表取締役社長に就任し,現在に至る。1983年,早稲田大学大学院修士課程修了(金属工学)。
 1989年,工学博士(応用物理学)。1991年,MIT ASP修了(マネージメントオブテクノロジー)。特許出願約80件,論文,学会講演,共著書など約100件のほか,1999年にボストンにてMRS symposium on “Thin Films for Optical Waveguide Devices”を主宰。
   のぞみフォトニクスは技術開発主導型のベンチャー企業である。事業を軌道に乗せるためには,自社技術の特徴を生かせる応用分野を早期に見つけ出すことが重要だ。より大きな事業機会をつかむため,また事業リスクを減らすためには,なるべく多くの応用分野を持っていることが強みになる。新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)殿によるマーケティング支援プログラムは,技術を開発している当事者でも思っても見なかったような応用分野を見つけるための大きな力になっている。

 当社は,平成15年度からNEDO殿から「PLZT薄膜導波路による光集積回路技術の開発」をテーマにして,スピンオフベンチャー・大学等発ベンチャー等技術開発助成を受けている。コア技術である電気光学効果(EO効果)のあるPb1-xLax(ZryTi1-y1-x/4O3(PLZT)薄膜を固相エピタキシャル成長で形成する技術は,材料の特性の面での様々な優位性を備えている。光スイッチに応用すれば,5n秒以下と高速でかつ低電圧駆動,小型の光スイッチを低コストで作製できる。このため長距離通信に向けた光スイッチ・デバイスだけではなく,様々な光関連機器に向けたデバイスを作製できる。もちろん当社でも開発した技術の事業機会を逃さないように,なるべく広い応用分野を見据えた事業展開を考えるようにしている。より高速での切り替え速度が必要な機器間の光インタフェースやボード内の光配線に向けた光スイッチなどが代表例である。

 しかし,自社での応用機器に対する知見の蓄積や既存の人脈を通じて得られる情報を基にした発想は自ずと限定される。宝の山に眼を向けないまま事業を進めている可能性が常にある。思っても見なかったような分野が,将来の事業を支える市場になるかもしれないのである。こうした事態を避けるためには,まったく異なる角度から当社の技術を評価している人の声を常に聞きながら事業を考えたい。

 昨年からNEDO殿によるマーケティング支援プログラムの一環として,報道記事の形態で自社技術を広く告知する手段を得た。当社の技術を紹介した結果,これまで当社が縁の無かった多くの企業から反響や問い合せを頂いた。その中には,詳細は明らかに出来ないが,当社の技術をディスプレイに応用してみたらどうかといったアイディアもあった。光通信とはまったく切り口の違う応用分野である。こうした,様々な可能性の蓄積が,将来の事業を伸ばすための力になるものと考えている。

記事要点掲載先:日経BP.JP日経BP知財Awareness

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