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古着とポリプロピレンを再利用して木材代替
廃材削減と森林伐採抑制の両立を門倉貿易が推進


[2006/02/16]

 着古されたセーターなどの古着と,ペットボトルのキャップなどに使われるポリプロピレン(PP)の工場廃棄物。従来はそのまま“ゴミ”として処分するしかなかったこの二つを再利用し,木材代替材料(擬木)を開発,そのまま森林伐採などの環境破壊を抑制する。このような技術の量産化に門倉貿易がメドを立てた。同社が目指す量産化が実現できれば,約210万トン/年排出されていて社会問題化しつつある繊維系廃棄物の処理が軽減でき,同時に輸入に頼ることが多い木材使用量を削減できるようになる。そのカギを握っているのは「この技術に必要なPPの回収システムの確立」(同社代表取締役の門倉建造氏)だ。

難しかった擬木の開発
 同社は元々,古着のリサイクルや繊維クズの輸出を手掛ける企業である。このような背景から,繊維のリサイクルに取り組んでいた。そのキッカケには,京都工芸繊維大学大学院先端ファイブロ科学専攻科木村照夫教授と門倉氏の出会いがあった。同社が繊維を再利用した製品の開発を検討していた一方,木村氏は今回の基本技術を使った擬木の開発に取り組んでいた。繊維のリサイクル関連の学会で知り合った両者は意気投合し擬木の開発に早速取り組んだ。
 擬木の開発は一見簡単そうにみえる。しかし,実際には木材の持つ軽量・高強度を両立するのは容易ではない。例えば,プラスチックで木材を代替させようとすると重すぎ,木材の破片(チップ)を固めたパーティクル・ボードなどでは強度が不足する。また,同じ木材でも1回きりの使用に耐えれば良い梱包用の木枠材から,数十年の長期使用に耐えなければならない建築資材まで多種多様であり,耐久性や防水性,表面形状などの要求仕様は様々である。
 このため,技術的なハードルは意外なほど高い。実際,今回の技術も基本的には,古着とPPを適切な形状に裁断,両者を混ぜ合わせて加熱圧縮して室温に戻して定着させるだけである。しかし,擬木の用途に合わせた密度,強度などを得るためには,原料である古着とPPの状態に合わせた最適な裁断形状,加熱圧縮を実現する必要があり,「この条件を見つけ出すことは容易ではない」(門倉氏)。このような難しさも手伝って,木村氏の擬木技術の実用化に賛同したのは門倉氏だけだった。すでに数千万円の自社資金を投入して今回の技術を開発してきた。
 このような技術開発を進めた結果,現在はまず梱包材への適用が可能な擬木の開発に成功している。強度試験などでは従来の木材より優れた結果を得ており,さらに2005年に実施した実証試験では,この擬木を使った木枠に入れた300kgの鉄の塊を日本からカナダまで船で輸送した。この際,偶然に港湾ストがあり,港で1カ月に渡って留め置かれたにも関わらず,この木枠は十分に機能していた。図らずも予定より厳しい条件の耐久試験に合格した訳だ。また,梱包材への適用では,木材にはない利点もある。木材では松食い虫を防ぐために完全燻蒸処理が必要だが,今回の擬木では燻蒸せずに済む。
 さらに,同社は家具や建材などへの展開も視野に入れている。家具材などへの展開に向けては兵庫県の森林林業技術センターの協力で,このような用途に適した線膨張率,湿潤特性,木目シートの接着特性などの評価をしている。建材に関しては大手の建材メーカーが興味を示しており,このメーカーとの共同開発に向けて交渉中である。
 このように材料として特性確保にある程度のメドが立ったことから,同社は量産化に向けた技術・体制の確立を進めている。すでに同社の小野工場にテスト・プラントを構築済みだが,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の助成を受けて加熱,圧縮,冷却の各工程に使われる製造装置の性能と量産性を向上させ,市場要求に見合ったコストを実現する量産技術を確立させようとしている。さらに,量産技術の確立に並行して1万トン/年の量産工場の建設着手しており,10億円規模の生産設備投資計画,PP廃材の回収システムの確立も進めている(図1)。

図1
廃材図



門倉貿易からの提案
廃ポリプロピレン(PP)のリサイクル技術による,
工場や施設におけるPP廃棄量削減の提案

詳細は下記のPDFファイルをダウンロードしてください。

詳細(提案書)は こちら

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記事要点掲載先:日経BP知財Awareness日経BP.JPTech-On!

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