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産学連携を目指す大学・研究機関,戦略的な広報活動に課題
NEDOのアンケート調査から研究者の課題が明らかに(下)

[2006/03/28]

 産学連携を目指す大学・研究機関の研究者は,全体の2/3が広報活動や情報発信を実施した経験を持つが,半数は成果を得られていない。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)が大学,研究機関の若手研究者40名に対して実施したアンケート調査から,このような分析結果が得られた。同機構は大学,研究機関の若手研究者を対象に産業技術研究助成事業を実施しており,その一環として産学連携を促進するための広報支援活動を展開している。この支援活動のための説明会に参加した40人に対し,2005年11月〜2006年1月にアンケート調査を実施した結果,「研究者の情報発信手法について改善の余地がある」(NEDO技術開発機構)ことが見えてきた。

広報活動を実施するも成果が乏しい
図2:情報発信した結果,企業側との間で得られた成果は円グラフ図2005年11月〜2006年1月にNEDO 技術開発機構が実施したアンケート結果
 このアンケート調査では,企業側のニーズに対する理解度,企業ニーズを理解するための調査手法,産学連携を通じて達成したい事項などを調べた。その結果,産学連携の候補企業との直接面談を軸に企業ニーズを理解しようと努力している一方,実際の企業ニーズの獲得に当たっては乗り越えるべき課題が残されている,という結果が出た(関連記事)。加えて,産学連携を進めるために実施したことのある広報活動や,情報発信した結果,企業側との間で得られた成果などをたずねたところ,全体の2/3が何らかの広報活動を実施し,半数が成果を得られていなかった。
 産学連携を進めるために実施したことのある広報活動については,「紹介資料の作成」(40%),「見本市への出展」(32.5%),「ニュース・リリースの作成」(27.5%)などが多い(図1)。NEDO技術開発機構は,この結果については「情報発信活動の実施率自体は高い」と評価する。すなわち,研究者自身が企業ニーズを把握するために自ら情報発信していく必要性を感じており,手法が最適か否かはさておき,そのために何らかの努力をしている状況が見て取れる。
 情報発信した結果,企業側との間で得られた成果については,「企業等から面談依頼まで獲得した」が30%,「企業からの問合わせを獲得できた」が22.5%あった一方,47.5%が「成果についての記載無し」だった(図2)。実際,「今までに新聞などに掲載されたが,原理のアピールに留まっていて,産業界からのコンタクトは得られなかった」(工学系研究者)といった声が出ている。情報発信を実施している割には,十分な成果を得ているとは言いがたい状況である。
 さらに,企業側との間で面談や問い合わせなどの成果を得た残り半数の大学・研究機関についても,「その後の具体的な連携協議まで,戦略を共有しながら持って進められているかどうかは別」とNEDO技術開発機構は指摘する。「企業から問い合わせをフォローアップできる体制を大学・研究機関が整っていない」,「実質的な連携協議に移ることが難しい」といった課題を抱えており,具体的な企業との産学連携活動に結び付けることは容易ではない。広報活動を実施し,企業からの問い合わせなどを得て,産学連携までたどり着ける大学・研究機関は,現状では一部に限られる可能性が高い。

図1:実施したことのある広報活動は(複数回答可)
棒グラフ図
2005年11月〜2006年1月にNEDO 技術開発機構が実施したアンケート結果

戦略的な情報発信が重要
 このような課題を克服するためには,一貫した戦略に基づく広報活動施策を実施していく必要がある。具体的には,情報発信の初期段階から,研究者がどのような課題を克服するために,どのような企業から反応を得て,どのような情報交換や連携を推進していくか,を明確にし,それに沿った広報活動を実施していく。NEDO技術開発機構では,このような一貫した戦略に基づく広報活動の支援プログラムを実施しており,今回のアンケート調査結果を踏まえてそのプログラムをさらに改善していく方針である(関連記事)。
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記事要点掲載先:日経BP知財Awareness日経BP.JP

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