技術&事業インキュベーション・フォーラム

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへイベント・セミナーお問合せ


微細配線技術を有するプロデュース
ウエーハやガラス基板の非接触搬送装置を開発へ

[2006/07/03]

 チップ部品の微細配線技術を有するベンチャー企業のプロデュースは,ウエーハやガラス基板向け搬送装置市場への参入を目指し,完全非接触型の搬送装置の開発を進めていることを明らかにした。長岡技術科学大学助教授の磯部浩已氏(現:長野工業高等専門学校)や同大学教授の久曽神煌氏と共同で開発を進めている。この装置では,静圧力による基板浮上機構と音響粘性流による基板移動機構を組み合わせた方式を採用した。すなわち,「多孔質静圧案内」(静圧ノズル)から噴出する圧縮空気の静圧力によってウエーハやガラス基板を浮かし,弾性ステータとアクチュエータで構成される駆動ユニットで発生させた音響粘性流によってその基板を搬送する(図1)。このような方式を採用したことにより,駆動ユニットの配置や音響粘性流を制御してカーブ構造の搬送ラインを構築できる,静圧力が面積に比例するために基板面積が大きくなっても十分な浮揚力が得られる,といった特徴を備える装置になった。
 これまでにもウエーハやガラス基板の非接触搬送装置は販売されている。しかし,搬送用のコントロール・ガイドとしてローラーを使ったり,基板を停止させるためストッパ・ピンを使ったりしており,完全非接触型と呼べるものは少ない。特に,カーブ状の搬送ライン・レイアウトを構築できる非接触型搬送装置はほとんどないとプロデュースは指摘する。

150mm角の多結晶Siウエーハを非接触で直接搬送できる装置を試作
 LSIや太陽電池などに使われる半導体ウエーハ,液晶ディスプレイやプラズマ・ディスプレイなどに使われるガラス基板は,いずれも大型化・薄型化しており,これに伴って基板強度が相対的に低下,壊れやすくなっている。また,高いクリーン度が要求される環境が要求されるようになっており,ローラー搬送による発塵や損傷などが問題視されるようになっている。このような状況を背景に,搬送装置各社は非接触の搬送装置の開発に力を入れている。非接触搬送装置を使えば,搬送時の発塵や損傷を抑えられ,基板が破損する恐れも少ない。プロデュースの専務取締役井上義則氏は,「微細配線技術の3Dアプリケーション事業や,装置・製品サービスを提供するカスタマイズ事業のユーザーで,非接触搬送装置に対するニーズが高まっている。こうしたユーザーの要求に答えるために非接触搬送装置の開発を決断した」と説明する。プロデュースと長岡技術科学大学が共同で開発した試作装置は150mm角の多結晶Siウエーハを非接触で直接搬送できる(図2)。
 基板を非接触で扱うため,多孔質のセラミック・プレートから圧縮空気を噴出し,基板を100μ〜200μm浮上させる。空気の供給圧力は0.1M〜0.5MPaである。非接触のままで搬送するためには,搬送路の両脇に沿って100mmあるいは110mm間隔で配置された駆動ユニットを使って行う。駆動ユニットは円盤状で,弾性ステータとそれに取り付けられたアクチュエータから成る。弾性ステータをウエーハの上面から約300μmの高さに配置する。アクチュエータに交番電圧を印加して弾性ステータにたわみ進行波を励起させ,それによって発生する音響粘性流を利用して基板に推進力を与える。基板の位置を反射型フォトインタラプタで検出し,位置に応じて駆動する弾性アテータを順次切り替えたり,アクチュエータによる音響粘性流の速度を制御したりする。これによって直線,カーブ,回転,停止など自由自在な搬送が可能になる。
 プロデュースは,この非接触搬送装置を2007年に製品化する予定。同社企画開発本部長の大塚雅美氏は「将来はガラス基板の搬送も狙っている。液晶ディスプレイの第4世代もしくは第5世代で本技術を完成させる。また,割れやすい化合物半導体ウエーハなどの搬送装置としての展開も考えたい」としている。この開発の一部は,新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO技術開発機構)の2004年度産業技術研究助成事業の支援を受けて行われている。
(宮崎信行=テクノアソシエーツ)


図1:プロデュースが長岡技術科学大学と共同で開発を進める完全非接触搬送装置の原理と構造
プロデュースが長岡技術科学大学と共同で開発を進める完全非接触搬送装置の原理と構造


図2:試作した完全非接触搬送装置
試作した完全非接触搬送装置



株式会社 プロデュース 資料
新製品開発〜『非接触搬送装置』詳細資料
ファイルをダウンロードするには資料入手用のフォームに記入していただく必要があります

資料入手フォームは こちら

PDFファイルの閲覧にはAcrobat® Reader®が必要です。
Acrobat® Reader®のダウンロードはこちら


記事要点掲載先:日経BP知財Awareness日経BP.JPTech-On!

オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
パナソニックの住宅関連事業を支える耐酸被覆鋼板、接着技術や樹脂コーティング法に独自ノウハウ

【座談会】レアアース泥の採泥・揚泥は戦略技術、焦らず段階を踏んで確実に商用化を目指す

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2018年8月)










オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

お問い合せ イベントIndex コラムIndex 提案Index ブレークスルー技術Index INTERVIEW Index topへ テクノアソシエーツへ