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カイオムの抗体作製サービス,「作製スピード」をユーザーが高く評価


[2006/09/07]

 カイオム・バイオサイエンスが,最短1週間で抗体を作製する「抗体作製受託サービス」の受注状況を明らかにした。2006年1月のサービス開始から2006年8月までで,19件(19抗原)の抗体作製受託サービスを実施,その内訳は,アカデミアが12抗原/10研究室,企業が7抗原/6社となっている(当初はパイロット・サービスとしてサービスを提供。(関連記事)。
 カイオムの抗体作製受託サービスの最大の特徴は,抗体作製のスピードにある。ニワトリ由来の免疫細胞「DT40」を使うin vitro(試験管内など人工的に構成された環境)抗体作製技術「ADLibシステム」を採用し,マウスなどの動物を免疫する従来方法では数カ月かかっていた抗体作製期間を1〜2週間に大幅に短縮した。実際,「ユーザーからの評価や期待が一番大きいのは抗体作製のスピード」(同社代表取締役の藤原正明氏)と言う。抗体の作製可否も含め,わずか1〜2週間で結果が出る迅速性が,ユーザーからの評価につながっていると言えるだろう。抗原の評価やELISA(酵素免疫定量)などの診断用途への応用のために,抗体を必要とするユーザーが多いと言う。
 2006年8月からはサービス内容を一部見直し,これまで契約時と抗体提供時の2段階に分かれていた価格体系を,抗体提供時のみに一本化,抗体が取得できなければ料金が発生しない価格体系に変更する(難易度の高い場合は除く)。今後,製薬メーカーや診断薬メーカーなどを中心にさらにユーザーを獲得し,ADLibシステムによる抗体作製受託サービスを拡充していく方針だ。一方で,ユーザー・ニーズにあったより付加価値の高い抗体作製については,提案型の事業提携で対応する。
 なお同社は,抗体受託作製サービスの詳細や最新の技術開発の状況について,2006年9月13日〜15日に開催される「BioJapan2006」での同社ブースやビジネスパートナリングプレゼンテーション(9月15日16:00〜16:20「ADlibシステムによるモノクローナル抗体の迅速作製」)で発表する。

培養条件の検討や遺伝子操作でADLibシステムを洗練
 現在,カイオムでは,よりサービスの充実を図るために,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の助成を受け,(1)抗体の産生量向上,(2)ライブラリ多様性のさらなる向上,(3)抗体の親和性成熟,を目指した技術開発を進めている。
 (1)に関しては,細胞の高密度培養や培養液の改良,遺伝子操作を行い,最適な条件検討を進めている。例えば,高密度培養システムを用いて通常より約100倍高密度な培養を行った場合,「ラボレベルでは抗体産生量が約250倍向上する」(藤原氏)ことを確認している。さらに,「培地の成分組成を最適化したり,特定の遺伝子の改変を行うことで,産生量を増大できる」(藤原氏)と言う。
 (2)は,培養液の改良により実現する。ライブラリの多様性は,DT40の遺伝子変換の効率に比例する。そのため,培地の組成により遺伝子変換効率を向上できれば,多様性はさらに向上することになる。この達成に向け,カイオムでは培養液の成分組成の最適化を進める一方で,タイプの異なる抗原に対応可能なライブラリも確認されており,これらを元にさらに多様性を高める方針だ。「将来的には,多様性を向上する培養液と抗体産生量を増やす培養液の2種類を使い分けて,幅広いユーザー・ニーズに対応していく予定である」(藤原氏)。
 (3)は,得られた抗体の遺伝子にさらなる変異(DNA塩基配列の置換や欠失などの微小な変化)を誘発することで実現する。これは,生体内における抗体親和性向上メカニズムである「親和性の成熟」と呼ばれる現象とよく合致する。カイオムでは,in vitroでこの現象を再構築し,点突然変異を誘発,親和性の成熟を実現している。同社は,今後,これらの技術を組み合わせてADLibシステムをさらに洗練,抗体作製スピード以外の特色をサービスに反映していく方針だ。

(テクノアソシエーツ 笹木雄剛)


【カイオム・バイオサイエンスの「抗体作製受託サービス」に関する問い合わせ先】
住所:〒113−0033 東京都文京区本郷2−39−11 アロニアビル
TEL:03-5842-3323
e-mail:info@chiome.jp


記事要点掲載先:日経BP.JPBiotechnology Japan

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