技術&事業インキュベーション・フォーラム

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへイベント・セミナーお問合せ



テクニカルノートロゴ

富山工業高等専門学校からの提案
フッ素汚染土壌浄化処理に用いるリン酸カルシウム除去剤の
製造技術開発に関する共同開発の提案

― 廃棄物から土壌浄化処理用除去材料を創り出す ―

現在,フッ素化合物で汚染された土壌の多くは,複数の除去材添加による吸着法によって行われています。また,土壌を水で洗浄し,洗浄水を処理することにより浄化する技術も開発されていますが,フッ素が各種金属イオンと錯体を形成すると処理が困難になるなどの理由で,本格的な実用化には至っていません。富山工業高等専門学校では,歯にフッ素が固定される反応からヒントを得て,新しいフッ素固定プロセスを開発しました。このフッ素固定プロセスに浄化除去材として使用する機能性材料の開発を進めるために,リン酸カルシウムの製造に実績、知見を持つ企業・研究機関との各種廃棄物から製造技術の共同開発を提案します。

●技術ニーズ
 近年,産業の集中・整理が進むに伴い,工場として利用されていた土地の他用途への転用が進められています。しかし,3年前に施行開始された土壌汚染対策法により,土壌中に指定物質が含まれていることが判明すれば,その除去あるいは不溶化が義務づけられることとなりました。現在使われている土壌汚染対策技術は,揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compounds)や重金属に関心が集中していますが,陰イオン系のフッ素化合物等については,十分な対策が施されておらず、実用的な浄化技術が渇望されています。

●研究テーマ/技術成果
 富山工業高等専門学校では,歯にフッ素が固定される反応にヒントを求め,ある種のリン酸カルシウムがフッ素に対して特異な反応性を示すことを見いだしました。この反応は,例えばアルミニウム錯体からもフッ素を引き抜いて反応し,難溶性のフッ素アパタイト(リン灰石)を生成することができます。この特異な反応を応用し,土壌中のフッ素化合物を不溶化する技術の開発に成功しました。(本年2月に特許出願中)
 このフッ素汚染土壌処理に用いる除去剤には大量のリン酸カルシウムが必要であるため,下水汚泥中に含まれるリン資源から安価に抽出する技術開発を行っています。下水汚泥には凝集剤としてアルミニウムが含まれるため,リンの回収を妨害することがあるとされていますが,本研究グループではアルミニウムゲルを反応場に利用することで,アルミニウム共存下でも求める組成のリン酸カルシウムを単相で合成することに成功しています。

●特 徴
1. 従来の水処理技術では「廃棄物」となる下水汚泥に材料工学的なメスをあてることにより,従来はリン回収の障害とされていた凝集剤中のアルミニウムを反応場に利用する技術を開発しました。
2. 日本発の概念である「ベクトル科学プロセス」を利用したもので,組成・純度が確保されたリン酸カルシウムを回収することができます。
3. 骨や歯にはフッ素以外にヒ素や重金属等も沈着することから,他の有害物質への適用ができるポテンシャルを有します。
4. 研究代表者は生体材料(人工骨)の研究室出身のなかで唯一環境分野を専門に扱う研究者であることから,学協会でもユニークな発想の研究として評価を受けています。


●実用化に向けた課題
本技術によるフッ素汚染土壌浄化処理は,以下の課題をクリアすることが必要です。
現況リン酸カルシウムの回収率が60%以下と低いことから,回収率を90〜100%程度まで引き上げる条件の探索
合成された除去剤のコスト面での市場性


●今回の提案内容
 今回,リン酸カルシウム製造メーカーや製造プラント設計メーカー,同様な技術に知見を有する企業・研究機関とのコラボレーションにより,下水汚泥から合成されるリン酸カルシウムの市場性および可能性についての意見交換,将来的にはフッ素汚染土壌処理除去剤の実用化を指向した共同研究につなげていきたい。

●論文/特許実績
フッ素の固定反応については
M. Tafu and T. Chohji, “Reaction between calcium phosphate and fluoride in phosphogypsum”, J. Eur. Ceram. Soc., 26, 767-770 (2006)
袋布 昌幹,丁子哲治,“リン酸水素カルシウム二水和物(DCPD)と水溶液中低濃度フッ化物イオンとの反応機構”,J. Ceram. Soc. Jpn., 113(5), 263-367 (2005)
土壌汚染については
袋布昌幹,丁子哲治,藤田巧,羽田準一,“フッ素汚染土壌の処理剤及び処理方法”,特願2006−40194,平成18年2月17日
丁子哲治,袋布 昌幹,“廃液中フッ化物イオンの高度処理方法”, 特開2004-321972号,平成15年4月25日
リン酸カルシウム合成については
太田義夫,丁子哲治,袋布昌幹,“フッ素除去剤”,特開2006-192346,平成17年1月12日出願


●備 考
 本成果は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)産業技術研究助成事業による研究成果です。

【本件に関する問い合わせ先】
独立行政法人国立高等専門学校機構
富山工業高等専門学校 環境材料工学科 袋布(たふ)助教授
TEL:076-493-5402(代表) FAX:076-492-3859
e-mail:tafu@toyama-nct.ac.jp URL:http://www.toyama-nct.ac.jp


【ニュースリリースはこちら】
  ・数百年間フッ素不溶出にする土壌浄化処理技術を開発 全日本科学機器展2006で成果を展示紹介 [2006年11月27日]
【関連記事はこちら】
  ・フッ素で汚染された土壌を1日で規制値以下に [2007年01月31日]





オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
【座談会】レアアース泥の採泥・揚泥は戦略技術、焦らず段階を踏んで確実に商用化を目指す

【座談会】安定・潤沢な国産レアアースの利用に、日本の産業界は飛躍の未来を感じている

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2017年10月-12月)















オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

お問い合せ イベントIndex コラムIndex 提案Index ブレークスルー技術Index INTERVIEW Index topへ テクノアソシエーツへ