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[2006/12/12]

ニュースリリース
報道関係者各位
大阪大学大学院
基礎工学研究科

世界初,物質の微小領域の弾性可視化に成功
─ マイクロマシン設計や電子デバイス生産の歩留り・品質向上に期待 ─


【新規発表事項】
 大阪大学 大学院基礎工学研究科 機能創成専攻(大阪府豊中市)は物質の局所領域におけるヤング率を正確に計測する顕微鏡の開発に, 世界で初めて成功しました。マイクロ・ナノデバイスに使用される微小材料の機械的性質の同定を可能とし,マイクロマシンの設計や電子デバイス生産において歩留りや品質向上に貢献,デバイスの健全性評価の標準化技術として期待されます。独自開発の無線・無電極技術を用いているため,プローブ構造が簡便で,ボールペンのように携帯化することが可能となり,汎用のヤング率計測器や,現場における非破壊検査装置として応用も期待できます。非線形力学領域の荻博次助教授らの研究グループによる成果です。

【背 景】
 ヤング率とは,物質が力を加えられたときにその方向にどれだけ変形するかを規定する物質固有の性質です.ビルや陸橋などの大型構造物からマイクロマシンにいたるまで,あらゆる構造物の設計には欠かすことができない値ですが,薄膜などの微小材料に関しては計測が困難を極めていました.マイクロ・ナノ材料に関するR&Dが世界中で展開されるなか,新ナノ材料の開発・評価においてヤング率は実用上極めて重要であり,信頼性の高い計測法が熱望されています。また,ヤング率は微小欠陥の影響を強く受けるため,ヤング率によりナノ薄膜や微細配線の健全性を定量的に評価することもできます.電子デバイス生産において,生産プロセスにマイクロ・ナノ材料の強度や健全性に関する評価測定を採り入れることにより,生産プロセスの改善による歩留り向上や,生産されたデバイスの品質保証を通じて,デバイス付加価値向上の可能性が広がります。

【訴求点】
 これまでのプローブ顕微鏡では,ヤング率を相対的に画像として可視化することに限られ,実際にヤング率の値を計測することは原理的に困難でした。今回, 同研究グループが独自に開発した無線・無電極素子を用いることで,局所領域のヤング率の定量・絶対測定が世界で初めて可能となりました。この技術を応用することにより,ナノサイズの欠陥検出が可能,微細配線や機能性薄膜,薄型パネル等のマイクロ・ナノ部品における健全性評価の標準化技術となり得ます。また, 無線・無電極素子を有するため,携帯型プローブへ応用することにより,ラボ内だけでなく,現場における簡便な弾性率計測が可能となります。本研究の成果は,米国の科学雑誌『Applied Physics Letters』,『Physical Review B』に掲載され,世界中のナノ材料研究者の関心を集めています。

【今 後】
 これまで,ヤング率を測定するには大掛かりなシステムが必要でした。「テスター」のように簡便に弾性率を測定したいという要求はあらゆる分野において恒久的に存在します。今後,本技術の実用化・量産化に向け,計測装置や画像処理システム技術に実績のある国内外の企業との連携を進めてまいります。

●備 考
 本成果は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)平成16年度産業技術研究助成事業による研究成果です。

【本件に関する問い合わせ先】
大阪大学 大学院基礎工学研究科   助教授:荻 博次
TEL&FAX:06-6850-6187 e-mail:ogi@me.es.osaka-u.ac.jp
URL:http://www-ndc.me.es.osaka-u.ac.jp

  【テクニカルノートはこちら】
     大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻からの提案
     ・ヤング率顕微鏡の実用化開発を加速するための共同開発の提案



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