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スギノマシンが湿式超微粒子化装置の新ラインナップ「スターバーストミニ」を発表
不純物の混入のない高品質な微粒子化を実現


[2006/12/20]


スターバースト ミニ画像 超高圧ウォータージェットを利用した産業機械及び工作機械で高い評価を得ている機械メーカー,スギノマシン(本社:富山県魚津市・杉野太加良社長)は,原材料のナノレベルでの微粒化を可能にする湿式微粒化装置「スターバースト」を開発。本シリーズに,新たに極少量対応機である「スターバースト ミニ」(写真)を加えた。
 「スターバースト」シリーズは,超高圧に加圧したスラリーの衝突エネルギーを利用して,アルミナや炭化ケイ素などの電子材料やカーボンブラックなどの顔料を超微粒子化し粉砕・分散・乳化する湿式微粒子化装置。これまで超微粒子化の際に問題となっていた不純物の混入がないため,高品質な超微粒子を安定的に製造できるのが最大の利点。そのため,化粧品,電子部品,健康食品,医薬品などの分野で,新規素材開発や製造現場への導入が進んでいる。

超微粒子化における2大問題を解決
 超微粒子化の技術は,「機能性ナノ粒子」の製造を担うため,ナノテクノロジーの研究・開発に欠かせない。だが,原材料をすり潰す原理のビーズミルなどの従来製造法では,原料を超微粒子化する際にコンタミネーション(不純物の混入=以下「コンタミ」),粒子径の不均一など,原料の機能特性を阻害する問題が発生していた。この「スターバースト」が高い評価を受けているのは,スギノマシンが自社の超高圧ウォータージェット技術を活用してコンタミレスを実現したからだ。超高圧に加圧した原料同士を対向衝突させてピュアな微粒子化を行うという同社の独自技術によって,不純物の混入問題がほとんど解決され,均一でシャープな粒度を持つ微粒子を製造できるようになった。

コンタミレス
コンタミレス比較図

粒子径の均一化
粒子径の均一化図

 「理論上は可能でもコンタミの影響などを受けて再現しにくかった微粒子化による材料特性を,この研究・開発向けスターバーストミニであれば実験室で確かめられるようになりました」(同社プラント機器事業部PE営業部微粒営業課長・押田淳氏)
 コンタミレス,粒度均一化という二大問題を解決しただけではない。スターバーストは多くの優れた特性を持っている。
 まず,原料のショートパスがないため,短時間で効率よくナノレベルの微粒子を製造できる点があげられる。「材料にもよりますが,単位時間処理能力は他方式の5〜10倍は高いとの評価を得ています。」(押田氏)。また,幅広い原料の微粒化が可能な点も大きな特徴である。同社によると,粘度5000mPa・s,固形分濃度(重量比)50%の原料まで微粒子化が可能であり,これは同社独自のシール構造と,単結晶ダイヤモンドノズルを採用したことによる。その結果,硬質スラリーにも対応できるという。
 「スターバースト」はさまざまな分野の原材料の微粒子化に役立つと期待されているが,主に4つの分野で導入が進んでいる。まず,電子部品用セラミックス,医薬品,化粧品など不純物の混入を嫌う原料の微粒子化。次いで,導電性ペースト,ニッケル・銅粒子など変形・鱗片を嫌う原料。さらに,CMPスラリー(Chemical Mechanical Polishing/化学的機械研磨加工用スラリー),コピー用トナー,顔料など粗粒の混入を嫌う原料。そして,アルミナ,シリカ,酸化セリウムなど研磨性・研削性の高い原料の微粒子化である。
 特定の原材料を不純物なく,均一かつ効率的に微粒子化できることに加えて,スターバーストの新しい可能性として,2種類の原材料を掛け合わせることができる点があげられる。たとえば,スターバーストを2台並べて使用することによって,2つの異なった材料を超高圧で衝突させて新しい物性を持った素材を開発することも可能になるという。
「新素材・原料の研究・開発ツールとしても市場の期待が大きいことがわかり,今回発表した研究・実験室向けにスターバーストミニを開発しました」(押田氏)

生産ラインから実験室までをカバー。さらなる用途拡大の可能性も
 このように「スターバースト」は,微粒子化に関する多くの研究・開発分野で期待されている製品だが,重要な特徴は,他の超微粒子化技術と違って,実験室で実証されたことが,中・大型機で安定して再現出来る点にある。生産機として高い信頼性を持つ量産対応技術であるところが他社製品と差別化する大きな基盤となっている。
 実際,「スターバースト」シリーズの,各機の時間当たりの処理量を見ると,生産ライン向け大型機「スターバースト 70/100」の処理量は360〜840L/hr,中型機「スターバースト 40」は180〜276L/hr,ラボ機「スターバースト ラボ」でも18〜42L/hrである。
 また,「スターバースト」の取り扱い性の良さも利用者から高い評判を得ている。他の超微粒子化技術と比較しても,省スペースを実現した装置であるのみならず,操作が簡単な点がその理由である。さらに,湿式である同機は媒体を使わずに微粒子化を実現できるため,重さと熱に強い,凝集に対処しやすい,防爆性が高い,クローズドタイプなので環境にもよい。また耐久性も高く,「強酸系の材料も取り扱えます。また誰でも簡単に操作でき,分解・洗浄も容易である点も大きな特徴です。」(押田氏)という。
 研究・開発用に開発された小型機「スターバーストミニ」は,狭いスペースにも配置しやすいコンパクトな設計で,その処理量は2〜4L/hrと「これだけの少量の材料を扱える装置はどこにもなかった。」(同社取締役プラント事業部長・市江浩三氏)というもの。最小20ccから処理可能という。
 「最小型機の発売によって大学や研究機関での利用が増えています。研究室レベルで成果が現れ,いざ製品化することになっても,『スターバースト』はその規模に応じたバリエーションがあります。今後,分散・乳化の技術をさらに発展的に利用して,化学・バイオ分野での用途が拡大することにも期待しています。」(市江氏)
 「スターバースト」シリーズのラインアップがさらに充実したことによって,その利用範囲がさらに広がることが期待できると,同社では考えている。

問い合わせは,同社ホームページまで。
記事要点掲載先:日経BPSilicon OnlineTech-On!


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