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ビタミンCを燃料にした安全・安心な燃料電池


[2006/12/25]

 産業技術総合研究所(産総研)ユビキタスエネルギー研究部門 次世代燃料電池グループ(大阪府)は,ビタミンC(アスコルビン酸)を燃料源に用いた固体高分子形燃料電池(PEFC)の開発に成功した。
 同グループは,ユビキタス機器の電源として,人体に安全・安心な燃料を用いたダイレクト燃料電池の可能性を追求してきている。今回開発したのは,ビタミンCをカーボンの電極上で直接酸化する方式で,出力密度を16mW/p2迄向上させることができた。

安全・安心な燃料源として応用分野に期待
 現在,携帯電話をはじめとする機器向け燃料電池の開発に各社が凌ぎを削っている。現在最も実用化に近いとされるダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)は各社高出力化に向けて研究開発が盛んである。しかしこの燃料は可燃性であり,劇物であるため,人体に密着したり,埋め込むような用途には使いにくい。エタノールのような植物由来材料を源とした燃料も,海外企業を中心に研究開発が進められているが,エタノールも,生成物として発生するアセトアルデヒドも可燃性である。
 「その点で,ビタミンCやグルコースは安全・安心」と同グループ藤原直子研究員は語る。(表参照

表:産総研ユビキタスエネルギー研究部門 次世代燃料電池グループ作成


 ビタミンCを燃料としたPEFCには安全安心以外にも幾つかの特長が有る。ビタミンCはどんな電極上でも酸化されるので,DMFCのように高価な白金系触媒を用いる必要が無い。クロスオーバーと呼ばれる燃料が反応することなく電解質膜を通過してしまう現象もビタミンC燃料の場合には起こらない。

勿論,実用化に向けた課題は未だ多数有る。燃料であるビタミンC自体の価格が高いこともその1つである。又,出力が低いことも挙げられる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の助成を受けて,この2年間で出力密度を約3倍に引き上げることができたが,こうした課題に対しては「どうしても燃料としての限界が有る。」

 しかしながら,「こうしたバイオ燃料でも十分活用出来る用途が有るはず」と同グループは見ている。
 例えば,人工臓器やペースメーカーといった人体埋め込み型機器。低電力で非常に長期間の作動を期待する用途において,開腹バッテリー交換といった手間を不要にできる。今回開発したビタミンCの場合は外部からの補充が必要になるが,グルコースであれば体内で生成されたグルコースを機器が自律的に取り込むことも理論上は可能になる。機器が完全に臓器化する。
 「ユビキタス社会は,ポータブル,ウェアラブル,インプラントといった人間と機器の関係から成り立ちます。なるべく人体に優しい燃料を研究開発することでユビキタス社会の実現を促進できる。」(同 藤原研究員)
同グループでは,今後医療機器メーカーなどとの共同研究を募集し,適用用途に関する情報交換を通じて,必要特性に合った燃料電池の開発を進めていく計画である。

  【ニュースリリースはこちら】
     ・ビタミンCを燃料に用いた安全な燃料電池を開発 [2006年12月08日]
  【テクニカルノートはこちら】
     ・アスコルビン酸燃料電池」の技術開発に関する意見交換や共同研究の提案



記事要点掲載先:日経BPMEMS InternationalTech-On!

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