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高度な精密加工技術で光通信機器の進化を後押し,
並木精密宝石が究極の光デバイス実装技術の開発パートナを募集


[2007/01/18]

 並木精密宝石が光デバイスの小型化を推し進めるためのキー・テクノロジーを共同開発する企業を募集している。共同開発の対象としているのは,「OPLEAF(OPtical LEAd Frame)」と呼ぶ,光デバイスとテープファイバを高精度に結合する技術である。同社では,今後,光回路実装においても,電子回路におけるICと同様の進化をたどり,LD,PD,AWG,変調器などのディスクリート部品のワンチップ上への集積化が進むとみている。光デバイスの高密度実装化の障壁として,チップ内配線は微細化が可能である一方,ファイバアレイのピッチがチップ内配線に比べ一桁以上も大きいことから,光デバイス内に設けるファイバアレイとのインタフェース部の縮小化に限界があるという問題があった。この問題を解決するのが,今回並木精密宝石が開発したOPLEAFである。ファイバアレイに,ピッチ変換機能を持たせることにより,光デバイスからファイバ接続用導波路を排除した。光デバイスの微細化に対応して,テープファイバを用いてそのクラッドの細径化による狭ピッチ化と先端レンズ加工による高効率結合を実現し,光デバイスとのダイレクトカップリングを可能とした。同社では,この技術を電子回路における半導体パッケージのリードフレームに相当する光リードフレーム(OPtical LEAd Frame)と位置づけ,OPLEAFと命名したという。
 並木精密宝石は,レコード針のダイヤモンド精密加工を出発点とし,超精密加工と研磨技術に実績とノウハウの蓄積がある企業である。今回の成果は,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)の研究開発型ベンチャー・中小企業支援を対象にする産業技術実用化開発助成事業からの支援を受けたものである。今後,同社は,3年以内でのOPLEAFの事業化を目指し,半導体光増幅器(SOA)やアレイ導波路回折格子(AWG),全光スイッチ,Si細線導波路,フォトニッククリスタルデバイスなどを用いて,アレイ化や高密度実装を検討している企業との連携を進める方針である
 OPLEAFのサンプルは,東京ビッグサイトで2007年1月24日〜26日に掛けて開催される「第7回 ファイバーオプティクス EXPO(FOE 2007)」と,同2月21日〜23日に掛けて開催される「nano tech 2007 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」,3月27日〜29日に掛けて米国アナハイム市で開催される「OFC/NFOEC 2007」の同社のブースで見ることができる。

光通信機器の低コスト化と高品質化の双方に寄与する
 基幹ネットワーク用ルーターなど光通信機器において,光信号を電気信号に変換することなくノード内処理を行なう試みが進んでいる。こうした機器では小型化や低コスト化を推し進めるために,複数の光デバイスで構成される回路を高密度で集積する技術が不可欠になる。光デバイス自体は,チップ内配線のピッチを約10μmまで微細化できるが,デバイス間をつなぐ光ファイバアレイのピッチは250μmで,微細化が進んでいないからである。両者のギャップを埋めるためには,光ファイバ側の寸法に準じたピッチ変換用の導波路が必要になり,デバイスの微細化が回路全体の小型化に寄与しない状態になっている(図1)。

図1:OPLEAF開発の背景
OPLEAF開発の背景
チップ内配線は微細化が可能だが,光ファイバ・アレイのピッチが大きいため,光ICの縮小化が制約されてしまう。


 OPLEAFは,この問題を解決し,テープファイバ自体にピッチの変換機能を付加するための技術である。ファイバ先端をフッ酸でエッチングすることによってクラッド径を細くし,ファイバ自体にピッチ変換の機能を持たせている。さらに光デバイスとファイバの間を低損失で接続する工夫も盛り込んでいる。具体的には,ファイバの先端の形状をレンズ状に加工し,加えてファイバアレイを精密に配列固定するためのガイドを形成している。すでにピッチが30μm,8心のサンプルを,汎用的なシングルモードファイバをベースにして完成させている(図2)。

図2:OPLEAFの構造
OPLEAFの構造
超精密加工技術により,サンプルでは0.15μm以内での細径化ファイバの外径ばらつきを実現している。


 従来こうした光ファイバアレイのピッチ変換をするための技術として,平面光波回路(PLC)に接続する方法が利用されていた。しかし,この方法ではファイバアレイを正確に位置決めしながら固定して接続する工程が非常に難しかった。その結果,固定位置の不良による結合部での損出の増加や,手間の掛かる調心作業による組立コストの増大が課題として残されていた。特に組立コストは,PLC自体の価格の2倍以上になってしまうほどの深刻な課題だった。OPLEAFでは,光ファイバそのものを加工して導波路部分を形成する。インタフェース用の部品を介することなく,直接デバイスとファイバを接続するため,PLCを使った方法のようなコストの増大を生み出す要因がない。約5万円のコストを費やしてPLCとファイバアレイを組み合わせて実現したのと同等以上の機能を,OPLEAFでは約1万円で実現できる。しかもコストだけではなく,PLCを使った方法で大きくなっていた結合損失を設計値で3dB以下に低減できることから,光通信機器の高品質化にも大きく寄与できる(図3)。

図3:OPLEAFと平面光波回路(PLC)を用いた結合法との比較
OPLEAFと平面光波回路(PLC)を用いた結合法との比較
OPLEAFは,性能,コスト,信頼性でPLCを用いた結合法を上回る。


 今回,OPLEAFの開発責任者である並木精密宝石NJC技術研究所の今泉伸夫氏は,「OPLEAFにより,光デバイスの高密度実装化にかかわる課題を解決したい。光デバイスメーカーとの共同開発を進めることによって,OPLEAFをユーザーの最先端のニーズに応える製品としたい」と抱負を語る。同氏によれば,OPLEAFの先端ピッチや研磨角度は,光デバイスのニーズにあわせた対応が可能であるという。


【ニュースリリースはこちら】
  ・ピッチ変換機能一体型光ファイバアレイ「OPLEAF」のサンプル出荷を開始 [2007年01月17日]
  【テクニカルノートはこちら】
    ・光デバイス高密度実装に向けた, ピッチ変換機能一体型光ファイバアレイとのリンクに関する共同開発の提案 [2006年12月05日]



記事要点掲載先:日経BP.JPMEMS International

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