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[2007/01/22]

ニュースリリース
報道関係者各位
産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター

液相レーザーアブレーションによりITOナノ粒子の微細化に成功
− 平均粒径3nmでキャリア濃度も大幅に向上 −


【新規発表事項】
 産業技術総合研究所界面ナノアーキテクトニクス研究センター(茨城県つくば市)は,脱イオン水中に分散させた粒径20〜100nmのインジウムスズ酸化物(indium tin oxide: ITO)粒子にパルスレーザーを集光照射することにより,粒子の微細化と同時にITOナノ粒子の赤外線反射特性を大幅に向上させることに世界で初めて成功しました。ITOナノ粒子は赤外線遮蔽用フィルムやタッチパネルの透明電極材料として実用化が開始されており,今後フラットパネルディスプレー(FPD)への応用も期待されています。今回の赤外反射特性の向上はITOナノ粒子への酸素欠陥導入によるキャリア濃度の増大に基づいており,光学フィルム以外にも透明導電性コーティングなどに利用できる可能性があり,今後の実用化が期待されます。

【背 景】
 ITOには希少金属であるインジウムが含まれており,資源保護あるいは資源戦略上その使用量の削減や代替材料の開発が求められています。これらの粉末ならびにナノ粒子は共沈法などの化学合成法により作成されており中和・洗浄・乾燥あるいは湿式粉砕などの複雑な工程や熱処理が必要とされていることから,より簡単な工程による製造法や低コストな製造法も要求されています。今回液相レーザーアブレーションを利用して製造されたITOナノ粒子は,パルスレーザーを集光照射するだけという極めて単純な手法であり,また得られたITOナノ粒子の赤外反射特性が大幅に向上していることから,ITOナノ粒子の使用量の低減にも寄与できる画期的な技術です。

【訴求点】
 液相レーザーアブレーション法は液体中に存在させた金属板や酸化物タブレットあるいは各種の粉体にレーザーを集光照射するだけの極めて単純な方法で,酸化物,貴金属,半導体などの無機系ナノ粒子ばかりでなく有機色素などの有機ナノ粒子も調製できる極めて汎用性に優れたナノ粒子合成法です。ナノ粒子は液体中に閉じこめられた瞬間的な高温・高圧のレーザー誘起プラズマ場を経て形成されることから,結晶性の良いナノ粒子を製造することが出来ます。また,高エネルギー化学種の急冷過程を含むことからナノ粒子に効果的に欠陥を導入することも可能です。今回,液相レーザーアブレーションによって製造されたITOナノ粒子には,過剰の酸素欠陥が存在しITOナノ粒子中のキャリア濃度が増加しており,その結果赤外線反射特性が向上しています。このようにITOナノ粒子中のキャリア濃度が向上していることから赤外線遮蔽フィルム以外にも,透明導電性コーティングなどに利用できる可能性があります。また,液相レーザーアブレーションでは液相に水ばかりでなく有機溶媒も使用でき,直接にナノ粒子コーティング液を調製することも可能です。以上のように本成果はITOナノ粒子コーティングの製造コストの低減に繋がるとともに,インジウムの使用量の削減にも寄与するものです。

【今 後】
 今後,界面ナノアーキテクトニクス研究センターでは,液相レーザーアブレーションによって製造したITOナノ粒子の実用化を目指して連携企業を募集して,その用途開発を進めていく予定です。

●備 考
 本成果は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)産業技術研究助成事業による研究成果です。

【本件に関する問い合わせ先】
産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センター 主任研究員:佐々木 毅
TEL:029-861-6333 FAX:029-861-6355
e-mail:takeshi.sasaki@aist.go.jp

【テクニカルノートはこちら】
  産業技術総合研究所 界面ナノアーキテクトニクス研究センターからの提案
・液相レーザーアブレーションで調製したナノ粒子の用途開発に関する共同研究の提案 [2007年01月23日]
  【関連記事】
    ・コップに注いだ液体中に有り得ない高温高圧の合成環境を作る [2007年02月27日]




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