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フッ素で汚染された土壌を1日で規制値以下に

[2007/01/31]

 富山工業高等専門学校(富山県富山市,校長:米田正明,以下富山高専)の袋布(たふ)助教授らによる研究チームは,工場跡地などの土壌に含まれるフッ素化合物が周辺環境に数百年間溶出することのない土壌浄化技術を開発した。プロセスが簡便で養生期間が1日以内と極めて短く,操業にかかる人件費を含め低コストで実施可能になるという。

養生期間1日で含有規制値0.8mg/l以下を達成する
「ナノ表面DCPD誘起」

 フッ素は自然界に広く存在し,虫歯予防など医薬農薬を始め電子産業などの先端科学分野で利用されている。しかし,フッ素は過量に摂取すると神経障害など人体に多大な影響を及ぼすことが知られている。近年,環境保護の機運が高まってきている中,平成15年5月に土壌汚染法が施行となり,土壌再利用の際のより厳しい有害物質含有濃度基準が設定されたが,「吸着剤などを用いた既存の土壌浄化処理技術は,対象が揮発性有機化合物(VOC)や重金属対策に偏重しており,天然化合物であるフッ素化合物への対策が十分になされていない。工場跡地を住宅地や運動場に転用したが環境基準値を満たしておらず,あとになって社会問題となるケースが決して少なくない」(袋布氏)という。
 袋布助教授らによる研究チームは,リン酸水素カルシウム(DCPD)が粒子表面にナノ表面構造を誘起してフッ素化合物と特異な反応を示すことに注目,ナノ表面構造を誘起させたDCPDを用いて土壌に含まれるフッ素化合物をフッ素アパタイト(フッ素リン灰石)として安定的に固定させ,数百年間溶出することのない手法を創り出した。この手法を用いた同研究チームの実験では,養生期間1日で汚染土壌のフッ素溶出量を規制値である0.8mg/l以下に低減できることを実証している(図参照)。

図:ナノ表面DCPD誘起導入によるフッ素溶出量低減効果の実験結果
図:ナノ表面DCPD誘起導入によるフッ素溶出量低減効果の実験結果

地域社会へ還元
 富山高専は,平成16年度新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業の助成を受けてこの技術開発を進めてきた。一般社会への還元が重要と考える袋布助教授らは,地元富山県を始めとする地域社会へ研究成果やそのビジョンを紹介する研究フォーラムを積極的に行なっている。「こうしたアウトリーチ活動を通じて,産学官の地域コンソーシアムを形成し,一般社会からの理解をより深めて地域産業の振興に貢献していきたい」(袋布氏)と期待を語る。
 今後,実用化に向けて課題の一つである,除去剤の主構成物質リン酸カルシウムを効率的に回収,製造する技術についてパートナー企業を募集し,共同開発していく計画という。



【ニュースリリースはこちら】
  ・数百年間フッ素不溶出にする土壌浄化処理技術を開発 [2006年11月27日]
【テクニカルノートはこちら】
  ・フッ素汚染土壌浄化処理に用いるリン酸カルシウム除去剤の製造技術開発に関する共同開発の提案 [2006年11月27日]


記事要点掲載先:日経BP.netTech-On!


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