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計測品質の向上を通じて日本の“ものづくり”に貢献
MTA Japanが2つのソリューションを提供
[2007/02/15]


 ここ数年,リチウムイオン電池の回収問題や,自動車メーカーのリコール問題など,品質管理をめぐる様々な問題が起こっている。こうした品質問題は,回収費用や賠償費用といった目に見えるコストのみならず,市場評価の低迷や顧客離れなど企業の存亡にも影響を与える。その一方で,「2007年問題」に代表される熟練技能者の大量退職や,アジアとのコスト競争によって,従来は許されていた設計余裕度(設計マージン)が少なくなっている。このような状況の中,製造企業にとって品質管理に関するリスクは高まる一方だ。
 こうしたリスクに対して,企業側ではISO9000の認証を受けることなどで対応しているが,これらは外形要件のみを定義しているに過ぎない。例えば,製品の諸元を計測し保証するための計測器の精度や測定結果など測定に関する品質がきちんと確保されていなければ,品質管理は根底から崩れてしまう。

 計測機器の測定品質については,国立標準研究所をピラミッドの頂点として,各地に有る校正機関,第3者試験機関までの流れ(トレーサビリティ)が構築されている。一般に,企業は年数回,こうした校正機関に計測機器を持っていって校正する。自社の装置と校正機関のそれぞれの計測機器が示す値を比較して,自社の計測機器の「物差し」としての品質を確認する。特にグループ企業を多く抱える大手メーカーの場合,グループ内企業間の管理基準統一の観点から,校正機関の基準計測器からグループ内企業の実用計測器までを結んでトレーサビリティを確保できる体制をグループ全体で構築したりしている。
 しかし,こうしたやり方にも課題がある。例えば基準計測器と実用計測器が物理的に離れた場合,計測器の校正のための移動に伴う変化や経時変化,測定時の温度など外部の環境変化などが計測結果に影響を与えることである。国際分業が盛んになっており,こうした影響は無視できなくなってきた。加えて,基準計測器の移動に関するコストも問題になっている。
 MTA Japanはこうした課題に対するソリューションを提供している企業である。同社はより高い測定品質の確保に向けた2つの技術を開発してきた。
 1つは,測定装置の測定結果を自動校正し,測定結果とその品質評価結果を合わせて出力する装置である。対象は電気抵抗と直流電圧の2種類ある。この装置と計測器をつなぎ,あらかじめ値の分かっている標準器を測定基準として使うことによって,高精度の校正を実現する。標準器は計測器に比べて持ち運びが簡単なため,校正に関わる期間や品質が向上でき,コスト面でも貢献する可能性が高い。この装置は,すでに校正機関,大手精密機械メーカー,自動車メーカー,電気メーカーなどへの販売実績があり,その信頼性は高い。
 もう1つは,測定に関与する技術者やオペレータに測定結果の品質を決める要因を理解させ,測定品質の意識向上を促す教育用ソフトウェア技術の開発である。この技術は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の知的基盤創成研究開発事業を受けて開発した。この技術を生かしたシミュレーション・ソフト「GUM Master」を2007年春にも発売する予定である。企業の品質管理部署や校正機関,ISO審査員などに向けた本ソフトでは,パソコン上でいくつかのパラメータを入力するだけで,日本規格協会策定のガイドに沿って測定結果のバラつき(不確かさの値)をシミュレーションできる。

 計測試験・校正を行う能力に関する要求事項を規定した国際規格としては,ISO/IEC17025が1999年に制定されているが,この認定を受けた企業数は2004年に世界中で約25000社に達する。しかし,認定を受けた日本企業は「多くない」とMTA Japan社長の沼知朋之氏は指摘する。認定を取得する際の課題について2003年にInternational Laboratory Accreditation Conference(ILAC)が調査したところ,「不確かさの評価手法」と「校正・試験方法の妥当性確認」が多かった()。「すでにISO/IEC17025の認定を受けた企業のみならず,これから取得しようとしている企業など,当社のソリューションを求める企業はこれから相当数出てくると思う。こうしたソリューション提供を通じて,日本の品質管理の向上に貢献したい」と沼知氏は意気込む。

図:Guide 25からISO/IEC17025規格への転換の際の主要課題
試験所認定機関ILAC(International Laboratory Accreditation Conference)が2003年に実施した,「各国の試験所認定制度とISO/IEC17025への転換に関して試験・校正機関が直面している課題」調査結果からMTA Japanが作成したもの


記事要点掲載先:日経BP.netMEMS InternationalTech-On!


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