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東京理科大学

東京理科大学からの提案
シリコンモノシリック電極を用いた,モバイル機器用超小型燃料電池に関する意見交換や共同開発の提案


 モバイル機器の高性能化にともない,電源への要求は厳しくなる一方であり,小型の燃料電池に注目が集まっている。実用化に近い小型燃料電池の試作品では,燃料流路,拡散層,MEAを積層して締め付ける大型の燃料電池とほぼ同じ構造とっており,さらなる小型化には限界がある。そこで,MEMS, シリコンプロセスを利用し,モノシリック電極を形成することによる燃料電池セルの超小型化が期待されている。今回,こうした期待に応え,シリコン基板上への白金多孔質層形成に成功した。プラズマエッチングにより燃料流路構造をシリコン基板上に形成することにより,モノリシックな燃料電池電極を試作した。これにより,通常数mmに対して,250μmのセル厚を実現した。本技術を実用化するための開発を加速すべく,MEMS技術,燃料電池の触媒層最適化や積層化に関する技術を持つ企業・研究機関との共同開発を提案する。


●技術ニーズ
 モバイル機器用高性能電源として,現在リチウムイオン電池が主流であるが,さらなる高性能化は厳しく,最近では爆発・発火などに対する安全性も問題になってきている。また,リチウムイオン電池は,充電を要するという点で究極の電源とはなり得ない。そこで,小型の燃料電池の試作品が各社から発表されているがモバイル機器用として本格的に普及するには,さらなる小型化が要求される。しかし,実用化に近い試作品では,大型の燃料電池とほぼ同じ構造をとっており,さらなる小型化には構造的に限界がある。

●研究テーマ/技術成果
 触媒層,燃料流路をシリコン基板上に一体成形することにより,極めて薄い電極板を製作する技術を開発,厚さ250μmの薄型燃料電池セルの試作に成功した。従来型のセルでは,燃料流路,拡散層,MEA(触媒層と高分子電解質膜を接合したもの)を積層して強く締め付ける。燃料流路には締め付けに対する機械的強度を持たせるために通常5mm程度の厚さが必要である。また,今回開発した技術は,シリコンプロセスを利用しているため,量産性に優れ低価格化も期待できる。シリコンは,フッ酸中で陽極酸化することにより多孔質化することを燃料電池触媒層に利用,多孔質のシリコンを湿式めっきにより白金やルテニウム,金と置換し多孔質貴金属層をシリコン基板上に形成できることを見出した。こうして形成した多孔質貴貴金属層は触媒層として使用できる。また,多孔質貴金属層背面からプラズマエッチングを行うと,多孔質貴金属層はエッチングのストップ層として働き,容易に貫通した貴金属多孔質領域を形成できる。これにより,燃料電池電極の一体成形が可能となる。白金を触媒層に用いたもので,水素を燃料とし,通常の燃料電池の約1/10の出力を達成している。多孔質ルテニウム層の形成も実証しており,白金との合金触媒を形成することにより,メタノール型への適用も可能である。

●特徴
1. モノリシック電極構造による薄型化が可能である。
2. シリコンプロセスへの適合性が高く,量産性に優れている。
3. 量産性に優れているために,低価格化が期待できる。
4. 細かなパターンニングにより,水管理が容易になる可能性がある。
5. 触媒層に炭素を用いないので,従来型に比べ触媒の劣化の点で有利になる可能性がある。


●実用化に向けた課題
1. 面積あたりの出力密度の向上。
2. 合金触媒によるメタノール燃料への適用。
3. 電極板と電解質膜との密着性向上。
4. 耐久性の向上。
5. 積層化接合技術の確立。
6. 積層化時の燃料流路構造の確立。
7. 補器類の開発。


●今回の提案内容
 シリコンモノリシック電極による超小型燃料電池を実用化するための開発を加速すべく,共同開発のパートナーを募集する。特に,最新のエッチング装置を使用し,多孔質白金層形成プロセスの精度向上による,出力密度の向上を進めたい。さらに,白金やルテニウムの使用量を削減するために,金やパラジウム等の多孔質貴金属を利用した合金触媒層の開発や性能評価・最適化,流路形成エッチングの歩留まり向上,積層化,補器類の開発などに関する意見交換や共同研究を進め,本研究成果の事業化を目指す。

●論文/特許実績
1. M.Hayase,T.Kawase,T.Hatsuzawa;Miniature 250μm thick fuel cell with monolithically fabricated silicon electrodes",Electrochemical and Solid State Letters,7(8),A231-234 (2004)
2. 早瀬仁則, 斉藤大輔, 初澤毅;多孔質シリコン層への触媒金属堆積, 電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン準部門誌), 125-E(10), pp.407-412(2005)
3. J.G.A.Brito-Neto,S.Araki,M.Hayase;Synthesis and Characterization of Porous Platinum Layers Deposited on Highly Doped n-Type Porous Silicon by Immersion Plating,Journal of The Electrochemical Society,153(11) C741-C746(2006)


●備考
本成果は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)産業技術研究助成事業による研究成果です。

【本件に関するお問い合わせ】
東京理科大学 理工学部・機械工学科   早瀬仁則 講師
TEL:04-7122-1375 FAX:04-7122-1375
e-mail:mhayase@rs.noda.tus.ac.jp
URL:http://www.rs.noda.tus.ac.jp/mhayase/

【ニュースリリースはこちら】
  ・シリコンモノシリック電極による超小型燃料電池を開発 [2007年02月27日]
【関連記事】
  ・東京理科大学,燃料電池の多層電極を一体成形 携帯機器向けに250μmの極薄型セルを試作 [2007年03月22日]




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