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独立行政法人 産業技術総合研究所

産業技術総合研究所・パワーエレクトロニクス研究センターからの提案
「量産型炭化ケイ素(SiC)高速エピタキシャル成長装置」に
関する共同開発の提案



 地球温暖化が問題となっている現在,ハイブリッド車,電気自動車への期待は非常に大きい。これらの省エネ車の性能向上にはインバータの性能向上が不可欠である。SiCを用いると大幅な性能向上が見込まれるが,現状,コストの面でSiCは市場に受け入られていない。中でも,エピタキシャル工程はコストが高く,スループットの向上が望まれている。我々は,従来法に比べ二桁も速く成長できる高速エピタキシャル膜成長装置を開発した。この装置を用いれば,エピタキシャル工程のコストダウンが可能となる。この装置を量産対応にするための共同開発を提案する。


●技術ニーズ
 我国は,京都議定書において,温室効果ガスの排出量を第一約束期間中(2008年〜2012年)に1990年時の排出量から6%削減することを公約としており,地球温暖化防止に努力しなければならない。さらに,昨今の中東情勢の不安定化及び中国の経済発展に伴う石油の大量消費などを原因とした原油価格の高騰から,さらなる省エネルギー技術の開発が望まれている。数ある省エネルギー対策の中でも,ガソリン自動車のハイブリッド化,さらには電気自動車,燃料電池自動車への切り替えは効果が大きいものと期待されている。これらの電気モーターを使用する自動車は,搭載されるパワーエレクトロニクス,すなわちインバーターの性能によってエネルギー効率に大きな違いが生じる。現状のインバーターはSiパワーデバイスによって構成されているが,そのデバイス性能は,Si本来の物性値から予測される値にほぼ達しており,インバーターの性能向上は限界にきている。SiCは,Siを上回る物性値を持ち,インバーター本体の比較では,理論的には大きさを1/25,損失を1/5に減少することが出来る。しかしながら,SiCエピタキシャル基板の価格はSiに比べ三桁以上も高く,そのため作製したインバーターの価格は自動車メーカの許容値段をはるかに上回ってしまい,普及するには至っていない。SiCエピタキシャル基板のコストダウンを実現するためには,エピタキシャル膜成長工程のスループット向上が課題となっていた。

●研究テーマ/技術成果
 化学気相成長法(CVD)によるSiCのエピタキシャル成長のメカニズムを基礎から研究することにより,高速成長の阻害要因は従来考えられていたのとは違い,気相中での均一核生成であることを見出した。そして,この結果に基づき,近接垂直ブロー型CVD炉という新たな炉の概念を提唱し,100mm/h以上の成長速度が実現でき,なおかつ膜の均一性にも優れた実用高速CVD炉を開発した。通常のエピタキシャル成長は,数mm/hの成長速度で行われているので,大幅なスループット向上が期待される。現状,2インチ基板全面にわたって,平均成長速度:140mm/hかつ膜厚均一性:3.9%,濃度均一性:8.9%を達成している。

●特徴
1. ガス導入管を基板直上まで持ってくることで,反応ガスを無駄なくエピタキシャル成長に寄与させることが出来,高速成長を可能とする特殊な装置構造。(近接垂直ブロー型CVD炉)
2. 100mm/h以上の成長速度を実現するためには,基板の前処理,昇温過程,ガス導入過程などに,「高速成長のための基本原理」に基づいた操作が不可欠であるが,これらの操作に対する豊富なノウハウの蓄積。
3. 結晶基板作製炉にも転用可能


●実用化に向けた課題
1. 現状,SiC基板で主流である3インチ基板での高速・高均一性の実現。
2. 装置のメンテナンス性や基板搬送機構などの装置の量産使用時に必要とされる構造に関する完成度の向上。


●今回の提案内容
 量産型炭化ケイ素高速エピタキシャル成長装置の実用化に向け,CVD装置メーカーに対して,意見交換や共同開発を行うための募集をする

●論文/特許実績
論文: Japanese Journal of Applied Physics,Vol.43,No.8A,(2004),p.5140.
Mater.Sci.Forum,389-393 (2002),p.179.
Mater.Sci.Forum,457-460 (2004),p.213.
Mater.Sci.Forum,527-529 (2006),p.211.
取得特許:2本

●備考
本成果は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)産業技術研究助成事業による研究成果です。

【本件に関するお問い合わせ】
独立行政法人 産業技術総合研究所 パワーエレクトロニクス研究センター
主任研究員 石田夕起
住所:〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 つくば中央第二
TEL:029-861-5430 FAX:029-861-5434
e-mail:y-ishida@aist.go.jp

【ニュースリリースはこちら】
  ・炭化ケイ素パワーデバイスのコスト削減を可能に [2007年03月01日]
【関連記事はこちら】
  ・SiC半導体の実用化を促進 産総研が高速エピ成長技術を開発 [2007年03月01日]




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