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親水性の物質も運べる新タイプのDDSを開発
[2007/03/27]


 近年核酸やたんぱく質など従来の低分子化合物とは構造の異なる高分子が,医薬品として利用されるようになってきている。これらの物質を医薬品として応用するには,生体内で分解されずに,患部まで届ける必要が有る。そこでこれらの物質の運び屋(ビークル)を活用した,DDS(ドラッグデリバリーシステム)の研究開発が盛んである。
 これまでのビークルは,主に表面の疎水性を活用したものであるが,その結果親水性の物質を運ぶのは困難であった。今回筑波大学 生命環境科学研究科生物反応工学研究室は,ビークルとして,リポソームの内部に有る内水相と呼ばれる空間を活用することにより,親水性の高い物質を運べる様なリポソームの調製法を開発した。

 今回開発したリポソームの調製法は,先ずシリコン基板とガラス基板の間に高精度に作られたマイクロチャネルと呼ばれる微小流路を活用して,油中水滴型(Water in Oil)エマルション(乳化懸濁液)を作製する。この方法の特徴は,非常に粒度の均一なエマルションの作製が可能になることと,機械的剪断力を必要としないため,内包物への影響を軽減できることにある。こうして出来たエマルションを基材として,リポソーム構成脂質を溶解した溶媒により洗浄・置換することで,リポソームの調製に必要な脂質を含む連続相に置換する。更に溶媒を蒸発・除去し,外水相溶液を添加してリポソームを作製する。
 従来では困難であった,巨大なリポソームも作製が可能になる。(図参照
 今回の研究成果は,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)産業技術研究助成事業の助成を受けて得られたものである。

巨大なベジクルの作成
筑波大学 生命環境科学研究科 生物反応工学研究室 資料から抜粋。
図下段では,親水性マーカーを封入した30μm以上のベシクル(リポソーム)が作製されている。図上段は,基材とした油中水滴型エマルション。基材としたエマルション水滴と作成されたベシクル(リポソーム)の大きさがほぼ対応していることがわかる。

様々な用途が可能な調製方法
 今回開発した調製法のもう1つの特長は,調製過程で得られる脂質膜で覆われた均一サイズの微小氷滴化した中間作製物である。この中間作製物に外部水相を添加するだけで,簡単にリポソームを調製することが可能になるため,「運搬製や保存性にも優れており,研究・分析ツールあるいは,製剤としてのキット製品の開発にも応用が可能になるのではないか」と同研究科の市川創作助教授は期待する。また,「親水性の物質まで内包できることで,DDS以外にもリポソームの適用領域は広がるのではないか」と同助教授は語る。例えば,化粧品や,食品分野などへの適用を検討している。同研究室では,内包物資や適用市場などに付いて企業との連携によって,開発していく計画である。

【ニュースリリースはこちら】
  ・親水性,疎水性物質を同時に担持出来るベシクル [2007年03月22日]
【テクニカルノートはこちら】
  ・親水性物質を内包したベシクルの用途開発のための意見交換の提案 [2007年03月22日]




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