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研究成果の応用分野を広げることに意欲的な大学研究者
若手研究者の産学連携への意欲と課題が明らかに
[2008/05/16]


 大学や公的研究機関にいる若手研究者の多くが,自分の研究成果の実用化出口は一つでは無い,その出口をもっと探したいと考えている。NEDO技術開発機構(以下NEDO)が行った調査から,産学連携に積極的な若手研究者像が明らかになった。

橋口昌道部長
NEDO研究開発推進部
橋口昌道部長
    この調査は,NEDOが,産業技術研究助成事業(現在は,産業技術研究助成事業(若手研究グラント)に変更)で,過去に助成した研究者183名に対して実施したもの。この事業は,大学や公的研究機関に所属する若手研究者に対し,技術シーズの実用化に向けた研究費を助成する。そのため,助成で生まれた研究成果が,社会でどう活用されるかについて,定期的に評価する仕組を作っている。企業との産学連携の進捗は,重要な評価指標の一つである。しかし,「助成技術シーズの中には,幅広い用途や多くの業界に活用可能と思える,高い潜在能力を持つ技術もある。特定の企業や業界と連携すれば全て良しとすることでは無い」(NEDO研究開発推進部 橋口昌道部長)。そこで今回,特定の企業と連携を進めている研究者に対し,「(現在進捗中の業界・分野以外の)新しい業界や分野を開拓すること」についての意欲や課題について調査したもの。調査は2008年4月に実施され,121名から回答を得ている。



 80%の研究者が,「自分の研究成果は複数の業界・分野に展開できる」と考えている。

 まず,「自分の研究成果が現在進捗している業界・分野以外にも活用できる,その可能性があると思うか」を質問した結果が<グラフ1>である。約80%の研究者が「(可能性があると)思う」と答えている。この回答結果について,ナノテクノロジー・材料,製造技術,革新的融合,エネルギー,環境,ライフサイエンス,情報通信という7つの技術テーマに分類した上で,その技術テーマ毎での研究者認識の傾向を調査したのが<グラフ2>である。ナノテクノロジー・材料,製造技術といった基盤的な研究テーマに取り組む研究者の方が,情報通信やライフサイエンスなどの研究テーマの研究者に比べて,違う業界・分野で展開できると考える割合が大きい。

グラフ1:他の業界・分野への展開の可能性について(可能性があると思うか?)
グラフ1
有効回答数121


グラフ2:技術分野別 異分野への可能性認識について
グラフ2
有効回答数121,技術分野:ナノ・材料:25名,製造技術13名,エネルギー9名,
環境13名, ライフ26名,情報通信8名


 自分の研究成果が他の業界・分野でも適用できると思う研究者に対して,その可能性を探索したいかについて質問調査したところ,「(時間や工数が許す範囲で)探索したい」という回答が94%を占めた。
 新しい用途開拓や適用分野の探索・調査を行う事には相応の難しさがある。若手研究者の場合には「業界内での技術ニーズ情報不足」「業界に対する知見不足」「人脈・ネットワーク不足」の三つがほぼ同等に重大な課題であることが判明した。(グラフ3参照

グラフ3:研究成果の適用先・業界を探索・調査を実施する上での課題
グラフ3
有効回答数:技術分野別 異分野への可能性があると答えた97名

 今回の調査結果に関して,NEDOでは,「産学連携に対する研究者の意欲は,以前より非常に高まっている。積極的に実用化の出口を広げたいと思っているが,技術ニーズ,業界知見や人脈を得るのに,工数や時間を割く事ができないという若手研究者の姿が浮き彫りになった。」(NEDO関係者)と評価する。


研究者の異分野探索活動をNEDOが支援

 NEDOでは,今回の調査結果を踏まえて,研究者が工数や時間をなるべく掛けずに,効果的に他の分野を調査する手法について検討を進めていく予定である。具体的には,異分野展開に意欲的な助成研究者向けに,試行的に調査の支援を実施する。


 支援活動は,特定の業界・分野を複数選定の上で,その業界への展開に関心の高い研究者を集めた研修会を開催する。この研修会には,業界企業の技術企画職のメンバーやそのOB,さらに業界関係者も呼び,研究者との積極的な情報交換を進める。研究者はこの研修会で得られたアドバイスをもとに,業界企業向けに,共同研究など産学連携の提案書を作成し,この情報を業界向けに発信する。NEDOは,研修会の開催のみならず,この提案書の作成や情報発信についても支援する。今年度は試行調査期間と位置付け,今後,更に効果的な手法にしていく計画である。


【関連技術記事】
  ・「産学官連携で異分野技術を積極的に探索」,
TDKテクノロジーグループ 技術企画部主幹 住田成和氏[2008年09月16日]
  ・産学連携の実現へ,大学・研究機関による企業ニーズの理解が必須
NEDOのアンケート調査から研究者の課題が明らかに[2006年03月27日]




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