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独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構研究開発推進部
大阪大学 先端科学イノベーションセンター


大阪大学 先端科学イノベーションセンター機能物質系分野からの提案
UWB規格に対応可能な薄型広帯域電波吸収体の実用化に向けた提案



 携帯電話などに利用される無線通信は我々の生活に有益となる一方で,電磁妨害による電子機器の誤作動や情報セキュリティーの確保といった問題も含有しており,これを改善する技術の確立は極めて重要と考えられます。これへの対策手法のひとつとして電波吸収材料の開発が行なわれております。この度,大阪大学 先端科学イノベーションセンター 町田研究室は,独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,無線通信の主要バンドであるSHF帯域の電波に対応する広帯域電波吸収体の開発に成功しました。これは従来からの積層型電波吸収体に比べ約半分の厚さでありながら同等の吸収性能を保持します。インテリジェントビル等の壁材や,磁気シールドなど幅広い用途で活用可能です。この電波吸収体についての用途に関する情報交換や,実用化に向けた共同開発について,幅広い産業界に提案します。


1.技術ニーズ
 電波吸収体はTVのゴースト現象や船舶用レーダ偽像の防止に用いられており,一般的に,これらは,その対応する周波数にのみ良好な吸収特性を示します。一方で,電波暗室などに利用されるピラミッド型,積層型の電波吸収体は広帯域の電波を吸収可能ではあるものの,インピーダンス整合の問題から非常に厚手の材料となっており,汎用性に大きな課題を残しています。近年,高速・高容量の無線通信の需要が見込まれており,これには広帯域の電波を一括して使用するUWB(Ultra Wide Band)などの新規な無線通信規格が提案されています。従来の厚手の広帯域電波吸収体に変わるユビキタスの概念にマッチングした薄型のマルチバンド対応電波吸収体の開発が望まれています。

2.研究テーマ/技術成果
 従来の電磁波吸収,即ちインピーダンス整合型電波吸収体は,電磁気的なモデル式内のtanh関数の発振特性により,狭い帯域においてのみインピーダンスの整合が得られ,その結果,対応する電波吸収の領域も非常に狭いものとなります。この基本原理は,厚手の広帯域電波吸収体についても概ね同じです。我々は,このモデル式を詳査し,損失成分の付与によりtanhの発振特性が緩和されることを数学的概念から見出し,実際のサンプルにおいても,磁性シートと誘電シートの層間に誘電損失成分となる抵抗シートを挿入することで吸収域の広帯域化を確認しました。
 これらの成果により,従来に比して約半分の厚さで同等の吸収能力が得られるマルチバンド対応電磁波吸収体の実用化に目処が付きました。

3.特徴

次世代のブロードバンド通信規格として注目されるUWB(3.1〜10.6 GHz)に対して93 %(-12 dB)の電波吸収能を達成。室内等での無線通信環境の改善に役立ちます。
UWB適用商品では建材の一般的な基準であるハーフインチ以下の厚さとすることができます。今後の需要が見込まれるインテリジェントビル等の壁材として利用可能です。
磁性シート,誘電シート,抵抗シートの組み合わせまたは厚さのチューニングにより,UHF帯RF-ID(950 MHz,2.45 GHz)にも使用可能です。これまでの試作実績では,厚さ25 mmのもので0.7〜4 GHzの周波数帯域に対して96 %(-14 dB)の吸収が可能です。

4.実用化に向けた課題

シート積層化に関する技術,特に低誘電率バインダーの探索が必要です。
難燃試験,脱ガス等の実用化に向けた工業試験,さらに,実際に即したユビキタスの現場での無線通信状態の確認等を行う必要があります。

5.今回の提案内容
 本電波吸収体を建築材料として用いることで,無線LANの使用等で見られる情報の漏洩を防ぐことが可能となります。今回の提案は,これらの電波吸収体について,実用化を見据えた観点から新規利用シーズの探索ならびにこれの実現を共同開発により行いたく思います。

6.論文/特許実績
Appl. Phys. Lett., 91, 093101/1-093101/3 (2007).
J. Alloys Compd., 451, 507-509 (2008).
国内特許出願5件(うち1件審査請求中,うち1件PCT出願)

7.問合せ先
(1) 技術内容・提案内容について
  大阪大学先端科学イノベーションセンター 機能物質系分野
助教 伊東 正浩
TEL: 06-6879-4210
e-mail:
研究室HP: 大阪大学 町田研究室 
(2) 制度内容について
  NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
高崎 幸一,日高 博和,千田 和也
TEL:044-520-5174     FAX:044-520-5178
個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)



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