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独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門


独立行政法人 産業技術総合研究所
環境管理技術研究部門 励起化学研究グループからの提案

『薬剤,化学物質構造変化の網羅的解析』の技術開発に関する
意見交換や共同研究の提案



 ゲノム中のG, C, T, Aという核酸塩基簡易コードやタンパク質のアミノ酸簡易コード以外に環境中化学物質の網羅的解析に使用可能なコードとしての共通言語は存在しておりませんでした。そこで,産業技術総合研究所では,コンフォモーム(注1)(環境中化学物質の立体配座構造に関する網羅的総体)に向けた立体配座コードを提唱し,ケムゲノム(ゲノムに関する相同性網羅的解析手法の化学物質への応用)の研究開発を本格的に開始しました。生理活性物質(注2)との相互作用による膜タンパク質の立体配座(コンフォメーション)変化が注目されているように,生理活性物質の機能発現に関与する構造変化,それに続く代謝反応の網羅的解析の技術ニーズがあることから,生理活性物質や膜タンパク質の立体配座変化解析装置の実用化とともに,立体配座コードをコアとしてブレークスルーを起こし世界的な普及を目指します。まずは,この研究テーマの応用分野や課題について意見交換,共同開発を提案します。


1. 技術ニーズ
 従来構造決定が困難であった7回膜貫通型受容体をはじめとする膜タンパク質のX線結晶構造解析による構造決定の報告が続いており,その機能発現とも深く関与する立体配座(注3)(コンフォメーション)変化に焦点が当てられはじめています。一方で,ゲノム解析には核酸塩基の種類を規程するG, C, T, Aの簡易コード,プロテオーム解析にはアミノ酸の簡易コードが用いられていますが,その他の環境中に存在する生理活性物質,特に薬剤などの複雑な環,枝分かれ構造を有する化学物質の網羅的解析に用いる簡易コードは存在していませんでした。現在でも,欧米においては生理活性物質の機能発現に関与する構造変化,それに続く代謝反応の網羅的解析の技術ニーズがポストゲノム創薬の観点から高まっています。

(注1) 本研究グループが提唱。conformer(立体配座異性体)+ -ome(総体(オーム))をあわせた造語。
(注2) 生物に対して活性を有する,すなわち生物に作用することで生物体に何らかの変化を誘起し得る物質のこと。
(注3) 分子構造中の原子間結合の回転の自由度に起因する一定の自由度を持つ分子の形。


2.研究テーマ/技術成果
 赤外円二色性(注4)分光法を用いて環境中キラル(注5)化学物質の解析を進める中で,世界で初めて溶液中においてキラルアルコールのアルキル鎖(注6)炭素数による偶奇効果(注7)を観測することに成功し,その発見に基づくコンフォメーション解析の基本特許を取得しました。その基本特許を産業界に活用するために特許強化戦略を練り,キラル医薬品の薬事申請に着目した技術開発を行う中で,抗癌剤タキソールの解析で得られた成果を基に,コンフォモーム(環境中化学物質の立体配座構造に関する網羅的総体)に向けた立体配座コードを提唱いたしました。本技術成果はフジサンケイ ビジネスアイ主催の第22回 独創性を拓く 先端技術大賞,企業・産学部門 特別賞を受賞しています。

(注4) 赤外領域の左右円偏光に対する試料の吸収の差として観測される現象。
(注5) 一時期サリドマイドの催奇性で社会問題化し認知されるようになった,2種類の鏡像関係の分子構造を取りうる性質のこと。
(注6) )鎖状に繋がった構造の炭化水素基のこと。
(注7) アルキル鎖炭素数(n)が偶数か奇数かにより分子配向や物性が変化する現象。

3.特徴

1. 従来,タンパク質をはじめとする分子の3Dの重ね合わせでしか構造の違いを比較できませんでしたが,コード化により細部にわたり相同性の比較を行うことができ構造の違いを簡易に視覚化できます。
2. X線結晶構造解析データに立体配座コードを適用することにより,注目されている生理活性物質との相互作用による膜タンパク質のコンフォメーション(立体配座)変化の解析に利用することができ,生理活性物質の機能発現に関与する構造変化,それに続く代謝反応の網羅的解析への活用が期待されます。
3. 赤外円二色性分光装置との組み合わせにより,製薬企業から求められている薬事申請に不可欠なキラル合成医薬品の絶対配置決定に活用できます。
4. 生体分子,生理活性分子に限らず,これまで困難であった高分子,液晶,超分子,有機ナノ材料等の3D分子構造変化の視覚化にも活用可能です。
5. 将来的に構造活性相関解析の精度を高めることで環境中化学物質のベネフィット-リスク評価への活用も期待されます。
6. 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業による研究開発成果を活用しています。

4.実用化に向けた課題

1. 生理活性物質やタンパク質の分子構造データから立体配座コードを自動変換するソフトウェアの開発に興味を持つ企業,研究機関との共同開発を希望します。
2. 計測装置,分光・分析装置への立体配座コード機能導入に興味を持つ企業,研究機関及びユーザーとなる製薬企業,研究機関と意見交換を行い,共同開発を希望します。

5.今回の提案内容
 コンフォモームの世界的な普及を目指した実用化に向けた共同開発パートナー(或いは意見交換先)を募集します。具体的には,前述の課題領域に知見を持つ企業や研究機関との意見交換や共同開発を通じて,環境中化学物質の立体配座構造に関する網羅的解析の技術開発を目指します。

6.論文/特許実績
J. Org. Chem. 2008, 73, 2367-2372. J. Org. Chem. 2007, 72, 277-279. 
J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 194-198.
取得特許:国内2本,出願:国内4本,国外1本

7.問い合わせ先
  産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 励起化学研究グループ:和泉 博
  TEL: 029-861-8636  FAX:029-861-8866
E-mail:メールアドレス
  研究成果HP: 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門


【ニュースリリース】
  ・薬剤,膜タンパク質の網羅的機能解析を実現へ〜ゲノム,プロテオーム解析に替わる新しい立体配座コード解析〜  [2008年9月26日]





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