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独立行政法人 産業技術総合研究所
環境管理技術研究部門・励起化学研究グループ


産業技術総合研究所 励起化学研究グループからの提案
「吸着と酸素プラズマを用いたVOCの低温完全酸化技術」の
実用化共同研究開発の提案



 揮発性有機化合物(VOC)対策として早期の実現が期待される技術の一つとして低温プラズマと触媒の複合技術がある。対策装置の導入が遅れている中小企業でも利用可能な最良技術として注目されていますが,不完全酸化に起因するCOの生成や,空気から窒素酸化物が生成されるなどの問題がありました。そこで,独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,産業技術総合研究所の金賢夏氏は,触媒機能を付与した吸着剤と低温プラズマの相補的複合化により常温でVOCをCOまで完全酸化できる新しい技術を開発しました。吸着剤に濃縮されたVOCの分解に酸素プラズマを用いることにより,エネルギー効率の向上と同時に,COへの選択性向上や窒素酸化物の完全抑制を実現しました。


1.技術ニーズ
 大気環境問題で注目されているVOCの大半は,発がん性などそれ自身の毒性だけでなく,光化学オキシダントやエアロゾル生成などの二次汚染の原因物質となっています。2006年に改正された大気汚染防止法では,法規制と自主的取り組みの組み合わせにより,2010年までにVOC排出総量を2000年度比で3割削減することを目標と定められました。VOC排出量の9割を占める中小固定発生源へVOC除去装置の導入を促進するためには,低コスト・高効率の対策技術の開発が急務となっています。現在大型施設を中心に普及している燃焼法や触媒酸化法は,流量や濃度などの運転条件の変動と断続運転に柔軟に対応できません。また,触媒酸化法では白金など高価な貴金属系触媒が用いられているため装置の維持コストにも大きな低減は見込めないなど,技術的には対応可能な技術も経済的な理由により,中小企業への導入がなかなか進んでいないのが現状です。
 今回開発した吸着と酸素プラズマを交互に用いるサイクルシステムは,中小企業に適応する際に求められる装置の省スペースや濃度,流量変動に対して柔軟に対応できます。また,排ガスの加熱を必要とせず,電源のオン・オフで瞬時に装置の始動と停止が可能です。希薄VOCを触媒表面の局所空間に濃縮させ高密度酸素プラズマで集中処理するため,省エネルギーと同時に,室温でVOCを完全酸化分解・無害化できます。酸素プラズマにより低温で活性化された触媒反応を利用する本技術では,熱触媒酸化法でよく使われる白金(Pt) やパラジウム(Pd)などの高価な貴金属を使用しないため,装置のコスト削減も可能となります。

2.研究テーマ/技術成果
 低温プラズマと触媒の複合プロセスは,従来のプラズマ単独に比べ数倍高いエネルギー効率を示します。低温プラズマ触媒の複合法は,特に,酸素分圧が高いほど分解効率やCOへの選択性が向上することを世界に先駆けて見出し,吸着と酸素プラズマのサイクル方式によるVOCの低温完全酸化技術を開発しました。サイクルシステムの高度化に必要な要素技術となる吸着・触媒材料の最適化を進めた結果,当初より40倍以上の吸着能力を持ちながら高い触媒活性を示す材料の開発に成功しました。COや有害な副生成物(エアロゾル,窒素酸化物)を生成せず,COへの完全酸化による無害化が可能な革新的なVOC対策技術であることを立証しています。光学システムによる低温プラズマ触媒の複合プロセスの評価法」の確立することで,この技術の更なる高度化に必要な触媒材料の迅速な活性評価手段を確立しました。

3.特徴

 今回開発した「吸着―酸素プラズマのサイクルシステムによるVOC分解技術」の特徴は以下の通りです。
1. 加熱・予熱を必要とせず,室温・大気圧で動作します
2. 装置の始動・停止が早く,断続運転が可能です
3. VOCをCOへ低温完全酸化が可能です
4. 流量,ガス濃度の変化にも柔軟に対処可能です
5. 窒素酸化物の生成を完全抑制します
6. 高いエネルギー効率
7. 既存の吸着装置の無機系吸着剤の再生技術としても利用可能です

4.実用化に向けた課題

1. 実験室レベルでの開発した要素技術をシステム化し,スケールアップの実証が必要
2. スケールアップの実証からのフィードバックによるシステムの改良と最適化

5.今回の提案内容
 これまで開発した要素技術を系統的にシステム化し,実用化の加速化に向けた情報交換や共同開発研究を提案します。具体的には,室温で動作する低温プラズマと触媒の複合技術を利用し,中小企業に導入可能な高効率のVOC除去技術を共同開発する大気汚染防止装置および吸着・触媒材料のメーカのパートナーを募集します。

6.論文/特許実績
Applied Catalysis B: Environ Vol. 79, pp. 356-367, 2008
Int. J. Plasma Environ. Sci. Technol. Vol. 2 (2), pp. 106-112 , 2008
特許登録1件,申請中1件

7.問い合わせ先
産業技術総合研究所 主任研究員 金賢夏
TEL:029-861-8061  FAX:029-861-8866
e-mail:メールアドレス
URL:http://unit.aist.go.jp/emtech-ri/15exchem/index_esc_J.html










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