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2009年1月28日
 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
東京大学大学院・工学系研究科

三次元画像技術を活用した
低侵襲高精度診断治療用手術支援システムの開発
‐ 三次元画像誘導手術ナビゲーションが実現可能に ‐


 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,東京大学大学院・工学系研究科准教授の廖洪恩氏は,三次元画像技術を活用した低侵襲(注1)高精度診断治療用手術支援システムを開発しました。この技術は,微小凸レンズ二次元アレイと高解像度二次元画像を組み合わせることにより三次元空間に立体像を再構築し,多人数が同時に正確な三次元像を裸眼で観察できる技術です。
 従来の画像誘導下手術では,画像の三次元位置情報は,一旦二次元情報に変換された後に観察者の頭の中で三次元情報に再構成されるため,位置情報の把握が直感的ではないといった課題がありました。本技術を利用すれば,術中に病巣部の三次元構造や手術器具の正確な位置情報を体外から把握できる三次元画像誘導手術ナビゲーションを実現でき,従来の画像誘導下手術の課題を解決できます。
 今後,医療用三次元画像ディスプレイ及び手術現場に使われる画像誘導システムを実現するとともに,学術・教育,エンターテイメント,マスメディアなどの幅広い分野への応用を図っていきます。
(注1)
低侵襲:体に付く傷を小さくして病気を治す手術方法。


図1 インテグラル・ビデオグラフィ(注2)3次元画像表示の原理と開発した表示システム  
図1 インテグラル・ビデオグラフィ(注2)3次元画像表示の原理と開発した表示システム
図1 インテグラル・ビデオグラフィ(注2)3次元画像表示の原理と開発した表示システム
微小凸レンズ二次元アレイと高解像度二次元画像を組み合わせることにより三次元空間に立体像を再構築できるため,多人数が同時に正確な三次元像を裸眼で観察できます。

(注2)
立体写真を実現する技術であるインテグラル・フォトグラフィ(注3)を,動画対応へと拡張させたもの。
(注3)
立体写真技術で,マイクロレンズアレイなどを用いて光線の方向を制御し,実際に物体が存在する場合と同じ光線の状態を記録し再生する技術です。


1.背景及び研究概要
 ライフサイエンス分野の画像誘導下高度低侵襲治療技術,と情報通信分野の3D(裸眼立体視)ディスプレイ技術に横断的に取り組み,高精度画像支援手術診断・治療技術とインタラクティブ三次元立体画像作成・表示技術を融合することにより,低侵襲・高精度診断治療用手術支援システムを開発しました。
 従来の誘導用画像は二次元ディスプレイに表示され,術者がこれを参照するには術野から目を離す必要があり,円滑な手術操作が妨げられていました。また画像の三次元位置情報は,一旦二次元にされた後に観察者の頭の中で再構成されるため,三次元位置情報の把握が直感的ではありませんでした。そのため,患部に関する画像情報をより客観的に提示できる三次元表示システムへの要求が高まってきています。上記の問題点を解決するため,マイクロ凸レンズ二次元アレイと感光体を組み合わせて三次元画像の記録・再生を行うインテグラル・フォトグラフィ の原理に準拠した動画表示手法であるインテグラル・ビデオグラフィの技術を提案し,歪みのない真の三次元動画像の開発および応用を行ってきました。
 インテグラル・フォトグラフィは,カメラのフィルムの前にマイクロレンズアレイを置くと,そのレンズを介して多数の点像を撮影できます。こうして撮影したフィルムの背後からバックライトを当て,マイクロレンズアレイを介して見ると,空間に点光源があるように見えるというのが基本原理です。インテグラル・ビデオグラフィは,このインテグラル・フォトグラフィを動画へ対応させたものです。 本技術の特徴は,以下のようなものです。

(1)
微小凸レンズ二次元アレイと高解像度二次元画像を組み合わせることにより三次元空間に立体像を再構築できるため,多人数が同時に正確な三次元像を裸眼で観察できます。
(2)
MRIやCTなどから得られた画像を患者と重ね合わせることにより,術中に病巣部の三次元構造や手術器具の正確な位置情報を体外から把握できる三次元画像誘導手術ナビゲーションを実現できます。
(3)
究極の三次元表示と,不可視情報の統合表示を実現することにより,術者があたかも透視能力を得たかのような感覚の中で手術を遂行できる手術環境を提供できます。


2.競合技術への強み
 本技術は,従来技術(両眼立体視,ホログラフィなど)と比較して次のような優位性があります。
(1)
両眼立体視と異なり,奥行き距離と視差が厳密であり,視覚疲労もなく,複数観察者が裸眼で同時に観察可能。
(2)
ホログラフィと異なり,カラー化・動画像の実用化が現在の技術レベルで可能。
(3)
体内を透視して,患部の位置と手術器具の正確な位置情報を正確に判断する「新しい目」を提供する術中三次元空間投影ナビゲーション実現可能。
(4)
実用化できれば汎用性の高いシステムとして,学術・教育,エンターテイメント,マスメディアなどの幅広い三次元画像分野への応用が可能。


表1 本技術と従来技術との比較表
表1 本技術と従来技術との比較表
(注4)
輻輳(ふくそう):輻輳眼球運動(両目が同時に内側を向く目の動き)の略称。


3.今後の展望
 今後,医療用三次元画像ディスプレイ及び手術現場に使われる画像誘導システムを実現するとともに,学術・教育,エンターテイメント,マスメディアなどの幅広い分野への応用を図っていきます。


4.その他
(1)研究者の略歴
 2003 年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了,博士(工学)。日本学術振興会特別研究員を経て,2004年東京大学大学院工学系研究科特任教員,2007 年同准教授,現在に至る。2006 年ハーバード大学医学部客員研究員。 医用工学,3次元医用画像,立体ディスプレイ,医用ロボットの研究に従事。

(2)受賞
 文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2006年),国際生体医工学学会IFMBE Young Investigators Award(2005年),IFMBE Young Investigators Competition, 3rd Prize(2006年),THE ERICSSON YOUNG SCIENTIST AWARD(2006年),荻野賞(2007年),日本生体医工学学会ベストリサーチアワード(2005年),船井情報科学奨励賞(2005年),井上研究奨励賞(2005年),日本コンピュータ外科学会論文賞(2004年),三次元画像コンファレンス優秀論文賞(2003年)など受賞。

5.問い合わせ先
(1) 技術内容について
  東京大学大学院・工学系研究科・バイオエンジニアリング専攻
廖 洪恩
  TEL:03-5841-7915  FAX: 03-5841-6461
E-mail:メールアドレス
  研究室HP: http://www.bmpe.t.u-tokyo.ac.jp/~liao/index-j.htm
(2) 制度内容について
  NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
  瀧浦,松崎,千田,長崎
  TEL:044-520-5174   FAX:044-520-5178
  個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)


【提案書】
  ・東京大学大学院・工学系研究科・バイオエンジニアリング専攻からの提案書 [2009年01月29日]






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