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提案書



(1)大学・学部学科・研究室名・氏名
北海道大学大学院工学研究科エネルギー環境システム専攻 村井祐一

(2)「技術シーズ」名
 翼の負圧を利用し,船底の摩擦抵抗を10%低減する燃費向上技術

(3)技術概要
 翼の負圧を利用することで航行中の船舶の船底から高効率に気泡を発生させることができます。これにより船底における海水との摩擦を減少させることができ,燃料費の節減と高速化の両方に即効的に寄与します。翼の挿入により発生する抵抗に比べ,翼の揚力の反動としてもたらされる気泡発生のほうが何倍もの省エネ効果をもたらします。既にフェリーの通年実験により約10%の燃料消費率低下を確認済みです。一方,翼を活用した気泡発生法の物理メカニズムは,気液界面の複雑な挙動を伴う二相流のダイナミクスに属します。本課題では少ないエネルギーで,微小気泡を大量に発生させるための最適化研究に取り組んでいます。

図
 【図の説明】水面下で翼を水平に走らせると下流に窪みが発生します。翼に迎角を付けると一定角度までは(二相流としての剥離が発生する直前まで)窪みが増大します。これを船底で実現させると理論的に大気圧のまま一定の深さまで気泡を船底に導引できることになります。さらに空気が下流に流されるときK-H不安定により界面がちぎれ,微小気泡として放出されます。

(4)特徴・訴求点
1.
深い位置でガスを発生させるには,これまで大きな吐出圧力のブロア・コンプレッサーが必要でした。しかし本技術は圧力環境を変えることなく移動翼を利用して大量のガスを誘導できます。
2.
導引されたガスは微細気泡(マイクロバブル)となって放出されます。このときK-H不安定という界面の自然現象を利用するため微細化に別途,エネルギー注入を必要としません。翼速度を10m/s程度まで上げると,10ミクロン程度まで分裂したミルキーなマイクロバブルが生じます。

(5)現在注力している業界・分野
造船学の分野では,極めて新しい,革命的な技術であると評されております。

(6)これから応用展開の可能性を探索してみたい業界・分野(アイディアジェネレーション段階)
すべての船への適用(コンテナ船,LNG船,石油タンカー,フェリー,ボート,ヨット)
湖水,ダム,港湾,内海における水面汚染抑止技術,水処理技術,その他の化学処理関係

(7)提案事項
本原理は翼以外の幾何形状で,種々の特性を生むでしょう。さらなる高度化をめざします。



【ニュースリリース】
  ・翼の負圧を利用して船底で気泡を発生,摩擦抵抗を低減し,燃費を約10%向上
〜フェリーの通年実験でその効果を実証  [2009年02月05日]




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