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2009年2月6日
 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
東京大学 大学院工学系研究科

体積が従来比1/7のヒートポンプ用超小型気液分離器を開発
‐ 大流量化設計や大量生産にも対応,冷凍空調など様々な分野に応用可能 ‐


 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,東京大学大学院工学系研究科 鹿園直毅氏は表面張力を利用した新規な原理と構成のヒートポンプ(注1)用超小型気液分離器(注2)を日冷工業株式会社と共同で開発しました。
 従来の気液分離器は,重力や遠心力などを利用した容器式が主流であり,体積が大きく設置場所の制約があるなどの課題がありました。この気液分離器は,肉厚や断面直径が小さい場合に支配的となる表面張力(注3)を利用しており,従来型の容器式気液分離器と比較して体積が1/7で済むため,小型化や省電力化,低コスト化に適しています。100g/sの大流量でも気液の分離が可能であることを実証しており,実機条件に応じた設計が可能です。この気液分離器は,大量生産も容易な構造と設計であるため,冷凍空調分野をはじめ,化学,食品,医療,自動車,エネルギー機器など,気液二相流(注4)を用いる様々な分野のヒートポンプ機器への応用が期待されます。
 今後,各分野での用途に応じたサンプル提供や課題の難易度に応じた共同研究開発の提案を行うことにより,産業界との連携と事業化のための研究開発を進めて行きます。また,オイルセパレータ,ミストセパレータへの展開を図って行きます。研究を加速させるために意見交換や共同開発を通じて進めて行きます。

図1.冷凍能力8kW用気液分離器の写真(左),無次元気液分離特性図(右)    
図1.冷凍能力8kW用気液分離器の写真(左),無次元気液分離特性図(右)
図1.冷凍能力8kW用気液分離器の写真(左),無次元気液分離特性図(右)


図2.気相出口への液相混入率の実測値グラフ。100g/sの大流量でも気液分離を実証済みです。
図2.気相出口への液相混入率の実測値グラフ。100g/sの大流量でも気液分離を実証済みです。

(注1)
外部から電気などの駆動エネルギーを与えて低温部から高温部へ熱を移動させる装置です。
(注2)
気液分離器は,気体と液体の混相流からそれぞれの流体を分離する装置です。
(注3)
水滴が丸くなるなど,液体の性質で表面を出来るだけ小さくするように働く力のことです。
(注4)
気体と液体という異なった2種類の流体が同一流路管内に混在して流れている状態のことです。


1.背景及び研究概要
 近年,地球温暖化防止のために冷凍空調サイクル関連分野でも機器やシステムの省電力化の技術開発が行われています。しかし,従来の延長線上の技術開発では、大幅な小型化や省電力化は困難になってきており,新しいアプローチが求められています。そこで本研究では,体積力の代わりに表面張力を利用した気液分離器を開発することにより,従来の容器式では採用が困難であった高効率冷凍サイクルの導入を通じてヒートポンプの省エネルギー化,小型化,低コスト化に貢献します。


2.競合技術への強み
 今回開発したヒートポンプ用超小型気液分離器には,以下の特徴があります。
(1)
体積式気液分離器の1/7の体積
体積比で従来の1/7の超小型化を実現しているため,応用機器やシステムの低コスト化が容易となり設置場所の制約条件などが緩和されるため,ヒートポンプの用途や使途の拡大が期待されます。
(2)
大流量化の設計対応が可能
100g/sの大流量でも気液の分離が可能なことを実証済みであり,実製品にも適用可能です。
(3)
量産性を考慮した設計
事業化や製品化における大量生産を考慮した設計と構造になっています。

表1 体積力など従来技術に基づく気液分離器と本技術による気液分離器との比較表
表1 体積力など従来技術に基づく気液分離器と本技術による気液分離器との比較表


3.今後の展望
 今後,本研究では気液分離器の形状として斜交波状面(注5)を採用することでミストや油滴除去まで気液分離機能を拡充し,ミストセパレータやオイルセパレータを開発していく予定です。これら一連の研究開発により,エネルギー利用技術の立場から地球温暖化防止に対する貢献を引き続き行っていきます。
 また,各産業分野での用途に応じたサンプル提供や課題の難易度に応じた共同研究開発の提案を積極的に行うことにより,産業界との連携や共同研究,事業化のための研究開発を進めて行きます。
(注5)
流れ方向に所定の角度,所定の間隔で折り返したW字状の凹凸を設けた壁面。圧力損失を抑えつつ,断面内に強い二次流れを形成することができるため,熱伝達率や物質伝達率の促進に有効。


4.その他
(1)研究者の略歴
1994年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了, 1994〜2001年株式会社日立製作所 機械研究所,2001〜2002年株式会社日立製作所研究開発本部,2002年〜東京大学大学院工学系研究科 助教授,2007年〜同 准教授.

(2)受賞
1995年度 日本伝熱学会奨励賞
2000年度 日本伝熱学会技術賞


5.問い合わせ先
(1) 技術内容について
  東京大学大学院工学系研究科 准教授 鹿園直毅
  TEL:03-5841-8850   FAX:03-5841-8850  
E-mail:メールアドレス
  研究室HP: http://www.feslab.t.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
(2) 制度内容について
  NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
  坂橋,松崎,千田,長崎
  TEL:044-520-5174   FAX:044-520-5178
  個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)


【提案書】
  ・東京大学大学院工学系研究科からの提案
大流量化設計に対応するヒートポンプ用小型オイルセパレーターの開発に関する提案 [2009年02月09日]






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