(株)テクノアソシエーツ TOPページへ テクノアソシエーツサイトへ

TOPページへニュースへ連携提案へ注目技術&事業コラムへコラムへ

 
ニュースリリース ニュースリリース ロゴ
 
2009年2月17日
 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
香川大学 工学部 知能機械システム工学科

回転傾斜露光法によるアセンブリフリーの
マイクロ流体システム製造法を開発
‐ 細胞チップなどのバイオマイクロシステム試作や再生医療に応用可能 ‐


 NEDO技術開発機構の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,香川大学工学部知能機械システム工学科の鈴木孝明氏は,MEMS(注1)製造システム技術の柔軟化・ハイスループット化を目的として,「回転傾斜露光法」を使用したアセンブリフリーのマイクロ流体システム(注2)製造法を開発しました。マイクロ流体システム開発のための様々な3次元微細構造が,数mmから数百mmオーダーのワイドレンジで大面積(〜約100cm2)に作製できる技術です。従来比10倍のハイスループットで製造することが可能となります。
 従来の微細加工技術を使用したマイクロ流体システムの製造は,多数の真空装置を用いた工程とアセンブリが必要で,特殊な光源や材料・装置,複数枚の露光用マスクが必要となるなど製造費用がかさむことが課題となっていました。本技術では回転傾斜露光法を用いることで,1枚のマスクのみを使用した従来型の紫外線露光をベースとする簡単な操作で作製でき,ドライエッチング装置などの高価な周辺機器も不要となります。また,マイクロシステムは樹脂で作製可能であり,ディスポーザブルとして医療/バイオ分野において特に有用です。3次元MEMSデバイスや細胞機能計測分野をはじめとして再生医療(注3),バイオテクノロジー,電子・光学材料製造など様々な分野への応用が期待されます。
 本技術は,2009年2月18日(水)〜20日(金)の期間に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2009 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」にて,四国TLOのブースにおいて披露します。各分野での用途に応じたマイクロ流体システム製造方法や共同研究の提案を行って,産業界との連携と事業化のための研究開発をさらに進めて行きます。
 
図1.「回転傾斜露光法」を使用したアセンブリフリーのマイクロ流体システム製造法の概要図
図1.「回転傾斜露光法」を使用したアセンブリフリーのマイクロ流体システム製造法の概要図
回転傾斜露光法は,従来のUV露光をベースとする簡単な操作で使用でき,様々な3次元微細構造が作製できます。マイクロシステムの応用例として,細胞固定アレイを評価しています。

(注1) Micro-electro-mechanical systemsは,機械要素部品,センサー, アクチュエータ,電子回路を一つのシリコン基板,ガラス基板,有機材料などの上に集積化したデバイス
(注2) チップ上に微小な流路や化学反応槽を構成した,小さなバイオ・化学用のプラントや分析装置
(注3)  外傷で失われたり,正常な機能が損なわれたりした身体の一部に対して,細胞を利用して本来の機能の再生や復元をはかる医療技術


1.背景及び研究概要
 近年,MEMS技術は製品の差異化をもたらすキーテクノロジーとして数多くの応用が検討されています。今後本格化するためには,MEMS技術を活用したシステムや製品の開発を大量生産や多品種少量生産に柔軟に対応できるファンドリサービスなどが必要となります。シミュレーション等の設計自動化支援技術の構築や製造技術のさらなる改善,標準化などの環境整備をすすめることが急務です。そこで本研究では,MEMS製造システム技術のフレキシブル化・ハイスループット化を目的とし,複数の機能を集積化したマイクロシステムを単一マスクからアセンブリフリーで作製する方法を提案します。また,プロセスの半自動化を可能とする露光装置・数値計算シミュレータの開発を行うと共に,再生医療への応用を目的とするバイオマイクロシステム(主に細胞固定アレイ)を試作・評価して行きます。


2.競合技術への強み
 今回開発の回転傾斜露光法によるマイクロ流体システム製造法には,以下の特徴があります。
(1) 特殊な光源や材料が不要な製造法
アセンブリフリーな紫外線露光法(i線:365nm)であり,従来の機器や手法で対応できます。
(2) 幅広いレンジで三次元マイクロ構造物を大面積に作製可能
三次元マイクロ構造物を数μm〜数百μmのレンジで,約100cm2の大面積に作製可能です
(3) 一枚のマスクのみ使用する一度の露光・ディップ現像により,様々な3次元微細構造を作製可能
オリフィス,電極,ミキサ,フィルタ等を多層で繋ぎ合わせたマイクロ流体システムが作製可能です。
(4) 低価格なディスポーサブル・デバイスとして利用可能
一枚のマスクのみを使用して作製可能な樹脂製マイクロチップであり,ニーズに最適化されたフレキシブルなデバイスを低コストかつハイスループットで作製することができ,バイオ応用で特に有用です。


表1 従来技術に基づくマイクロ流体システム製造法と本技術による製造法との比較表
表1 従来技術に基づくマイクロ流体システム製造法と本技術による製造法との比較表
※プロジェクト内で作製・評価中のマイクロ流体システムと同等の性能をもつシステムを作製する場合。

3.今後の展望
 今後,本研究では自動露光装置のプロトタイプを作製すると共に,露光シミュレータを開発し,より汎用的なプロセスにしていく予定です。さらに,作製構造物の加工精度,複雑性などを明らかにすることにより,ワイドレンジでの大面積加工性について研究開発を進めて行きます。また,本技術の特徴を生かした作製物の例として細胞固定アレイなどのバイオマイクロデバイスについても検討して行きます。システム開発メーカー,顕微鏡メーカー,理化学実験機器販売会社などをパートナーとして探索し,各産業分野での用途に応じたサンプル提供や課題の難易度に応じた共同研究開発の提案を積極的に行うことにより,産業界との連携や共同研究,事業化のための研究開発を進めて行きます。


4.その他
(1)研究者の略歴
2003年 京都大学エネルギー科学研究科士課程修了,2004年 日本学術振興会特別研究員,2004〜2008年 京都大学助手(2007年より助教),2008年〜現在 香川大学工学部准教授

(2)受賞
1997年 日本機械学会 畠山賞
2003年 日本AEM学会 奨励賞
2006年 日本AEM学会 論文賞
2008年 電気学会第25回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム 最優秀ポスター賞
2008年 日本AEM学会 優秀講演論文賞


5.問い合わせ先
(1) 技術内容について
  香川大学工学部知能機械システム工学科
鈴木孝明研究室 准教授 鈴木孝明
  TEL:087-864-2343    FAX:087-864-2343  
E-mail:メールアドレス
  研究室HP: http://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~suzuki/
(2) 制度内容について
  NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
  鈴木,松崎,千田,長崎
  TEL:044-520-5174    FAX:044-520-5178
  個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)


【提案書】
  ・香川大学 工学部知能機械システム工学科からの提案
回転傾斜露光法を使用したアセンブリフリーのマイクロ流体システムに関する提案






オープンイノベーション・フォーラム

オープンイノベーション静岡

トピックス
【座談会】レアアース泥の採泥・揚泥は戦略技術、焦らず段階を踏んで確実に商用化を目指す

【座談会】安定・潤沢な国産レアアースの利用に、日本の産業界は飛躍の未来を感じている

IoT、大手自動車メーカーが製造ラインに導入約60万円のシステムで不良品の発生を大幅低減

人気記事ランキング(2017年10月-12月)















オープンイノベーションコラム

オープンイノベーション・フォーラム




| 産業イノベーションHOME | 技術&事業インキュベーション・フォーラムHOME |
Copyright (c) 2005-2013 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.

INTERVIEW Index ブレークスルー技術Index 提案Index コラムIndex イベントIndex お問い合せ