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2009年2月19日
 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
東京工業大学 原子炉工学研究所

250〜300℃の未利用熱エネルギーを
有効利用する高密度化学蓄熱材を開発
‐ 蓄熱密度 従来比約2倍の0.5〜0.8GJ/m3を実現 ‐


 NEDO技術開発機構の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,東京工業大学 原子炉工学研究所の劉醇一氏は250〜300℃の未利用熱エネルギーを有効利用するための,金属酸化物系高密度化学蓄熱材を開発しました。従来の潜熱蓄熱材の約2倍に相当する0.5〜0.8GJ/m3の蓄熱密度を実現しました。
 従来の水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムといった蓄熱材は,脱水反応が進行する温度(蓄熱操作温度)が高く,350℃を超える中〜高温域でないと有効にエネルギーを利用できないという課題がありました。実際,ゴミ処理場やコンビナート等多くの化学プロセスが集中している地域における熱エネルギーの多くは未利用のままとなっています。そこで本研究所では,水酸化マグネシウム等の従来の蓄熱材を化学的に修飾する手法を駆使することで,250〜300℃程度の温度域でも化学蓄熱が可能となる蓄熱材の製作に成功しました。
 今後研究室では,さらに低温の条件(100〜250℃)でも蓄熱操作が可能な新規開発蓄熱材の開発を進め,蓄熱材の実用化に知見を持つ企業と意見交換や連携し,同時に化学蓄熱用の充填層型反応器を用いた化学蓄熱の共同開発を行なっていく予定です。

図1 今回開発した高密度化学蓄熱材(金属塩添加水酸化マグネシウム)の外観
図1 今回開発した高密度化学蓄熱材(金属塩添加水酸化マグネシウム)の外観
表面を化学的に修飾することにより,蓄熱操作温度の低下を実現


1.背景及び研究概要
 軽水炉,ディーゼルエンジン,燃料電池等から生成される中温域(300℃程度)の熱エネルギーは酸化マグネシウムを蓄熱材として温熱を化学的に貯蔵し必要に応じて温度を変換し供給するシステムが開発・検討されています。熱・電併給(コジェネレーション)(注1)のエネルギー利用効率の高度化,夜間電力の有効利用による電力負荷平準化に貢献します。また,高温ガス炉,製鉄,太陽熱等の高温域(800〜900℃)の熱エネルギーは酸化カルシウムや酸化鉛,二酸化炭素系物質をケミカルヒートポンプにより熱を化学的に貯蔵し,所要温度に変換し,高温プロセスの高効率での熱利用が可能となっていいます。しかし,従来の水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムといった蓄熱材は,脱水反応が進行する温度(蓄熱操作温度)が高く,350℃を超える中〜高温域でないと有効にエネルギーを利用できないという問題があるため,ゴミ処理場やコンビナート等多くの化学プロセスが集中している地域における熱エネルギーの多くは未利用のままとなっています。そこで本研究所では,水酸化マグネシウム等の従来の蓄熱材を化学的に修飾する手法を駆使することで,250〜300℃程度の温度域でも化学蓄熱が可能となる蓄熱材の製作を行っています。

(注1)エネルギー供給システムの方式のひとつ。ひとつのエネルギーから電気や熱などの複数のエネルギーを取り出し,総合熱効率の向上を図るもの。


2.競合技術への強み
 今回開発した金属酸化物系高密度化学蓄熱材は,従来の蓄熱材と比較して次のような優位性があります。
(1) 250〜300℃の温度域での熱エネルギーの利用が可能。ゴミ処理場,コンビナート等の今まで未利用だった熱エネルギーを活用できる。
(2) 蓄熱密度が従来の潜熱蓄熱材の約2倍に相当する0.5〜0.8GJ/m3を実現可能
(3) 安価で毒性が低い物質から合成できる


表1 金属酸化物系高密度化学蓄熱材と従来の蓄熱材の比較表
表1 金属酸化物系高密度化学蓄熱材と従来の蓄熱材の比較表


3.今後の展望
 今後研究室では,新規開発蓄熱材の開発を蓄熱材の実用化に知見を持つ企業と意見交換や連携し,同時に化学蓄熱用の充填層型反応器を用いた化学蓄熱の共同開発を行なっていく予定です。


4.その他
(1)研究者の略歴
1997年東京理科大学理学部応用化学科卒業,1999年東京工業大学総合理工学研究科化学環境工学専攻修士課程修了,2002年東京工業大学総合理工学研究科化学環境学専攻博士課程単位取得満期退学,2004年東京工業大学原子炉工学研究所助手,2007年東京工業大学原子炉工学研究所助教

(2)受賞
財団法人理工学振興会 平成16年度研究助成


5.問い合わせ先
(1) 技術内容について
  東京工業大学 原子炉工学研究所エネルギー工学部門 助教 劉 醇一
  TEL: 03-5734-2964  E-mail:メールアドレス
  研究室HP: http://www.nr.titech.ac.jp/~cyliu/
(2) 制度内容について
  NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
  坂橋,松崎,千田,長崎
  TEL:044-520-5174     FAX:044-520-5178
  個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)



【提案書】
  ・東京工業大学 原子炉工学研究所からの提案 未利用熱エネルギーを有効利用した金属酸化物系高密度化学蓄熱材の開発に関する提案






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