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2009年2月26日
 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部先進物質材料部門

ファインケミカルの大量合成を実現するマイクロリアクタを開発
‐ 深溝型マイクロリアクタ単体で処理能力年間1000トン ‐

 NEDO技術開発機構の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として,徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部先進物質材料部門の外輪健一郎氏は,単体で年間1000トンの大量のファインケミカル合成を可能にする低圧力損失マイクロリアクタ技術を開発しました。特殊な加工技術を必要としないので,マイクロリアクタを並列化した時と比べて格段に導入コストを低減できる技術です。
 マイクロリアクタは微細な流路で構成された化学反応装置です。反応条件を厳密に制御できるため,効率的に化合物の合成が行えるとされています。既に研究室レベルでは,光反応や電気合成,重合反応等に応用されその効果が実証されています。現在マイクロリアクタの実用化に向けてマイクロリアクタを並列化させて処理量を増大させる手法が提唱されていますが,流体を均一に分割するための流体制御技術が必要となること等が課題となっています。そこで,本学では,アスペクト比(注1)の大きな流路(深さ10p)を用いて数値シミュレーションと実験の両面から流動状態と熱交換性能を評価し,深溝型マイクロリアクタでも均一な接触状態を維持し反応処理量を増大させることに成功しました。
 今後,本研究では,深溝型マイクロリアクタを利用した大型化学プラントを建設し,その性能を検証するための検討を企業との意見交換や連携を強化して進めて行く予定です。

(注1) 縦横の長さの比。

図1 深溝型マイクロリアクタの概念図(左)とパイロットプラント(右)
  図1 深溝型マイクロリアクタの概念図(左)とパイロットプラント(右)


1.背景及び研究概要
 マイクロリアクタは代表寸法が1mm以下の大きさの空間で化学反応を行う装置のことをいいます。化学反応を連続して行い,精密な温度制御や,迅速な混合を実現可能であることから,化学プロセスの一層の効率化に貢献するとされます。現在マイクロリアクタの実用化に向けてマイクロリアクタを並列化させて処理量を増大させる手法(ナンバリングアップ法)が提唱されていますが,原料を等分割するための流体制御が必要であること等が課題となっています。
 そこで,本学では,マイクロリアクタの並列化によらない大量処理技術として,深溝型マイクロリアクタを提唱しました。深溝型マイクロリアクタは,幅が1mm以下であるのに対して深さが数cm以上という極めてアスペクト比の大きな流路で構成されており,マイクロリアクタの特徴を保ったままで処理量を増大させることができます。深さが10cmの場合,流路深さ100μmのマイクロリアクタに比べて1000倍の処理量を実現できます。深溝型はナンバリングアップに比べて導入コストを大幅に抑えることができるだけでなく,操作・メンテナンスも容易です。また圧力損失を細かく調整することも可能で,試作品では年間1000トンの水を流通させた場合の圧力損失は平均20kPaと流量に比べて微小です。

2.競合技術への強み
本技術は次のような強みがあります。
(1)高処理能力
単体で年間1000トンの処理量を実現
(2)低コスト化
特殊な加工を必要としないため導入コストを大幅に低減(単純な並列化に比べて1/4以下)※
(3)低圧力損失
流量年間1000トンの水に対し平均20kPaの圧力損失※※

※研究室の試算
※※試作品のデータ


  表1 本技術と競合する手法の比較表(年間1000トンの処理量を実現した場合)
表1 本技術と競合する手法の比較表(年間1000トンの処理量を実現した場合)


3.今後の展望
 今後,本学では,深溝型マイクロリアクタを利用したパイロットスケールの化学プラントを建設し,その性能を検証するための検討を企業との意見交換や連携を強化して進めて行く予定です。また各種反応プロセスへの応用可能性について以下の項目について広く産業界と意見交換や研究会を行っていく予定です。
(1)各種バッチ合成装置を連続化することによる合成プロセスの安定化
(2)発熱を伴う各種合成反応プロセスの安全性の向上

4.研究者の略歴
1990年広島大学工学部第三類(化学系)卒業,1992年リーズ大学化学工学科修士課程修了,1997年リーズ大学化学工学科博士課程修了PhD取得,1997年京都大学大学院工学研究科化学工学専攻リサーチアソシエイト,2001年九州大学大学院工学研究院応用化学部門 助手,2004年徳島大学工学部化学応用工学科講師,2007年徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部助教授,2007年徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部准教授

5.問い合わせ先
(1) 技術内容について
  徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部先進物質材料部門 准教授 外輪健一郎
  TEL: 088-656-4440     FAX: 088-655-7025
E-mail:メールアドレス
  研究室HP: http://www.chem.tokushima-u.ac.jp/C3
(2) 制度内容について
  NEDO技術開発機構 研究開発推進部 若手研究グラントグループ
  鈴木,松崎,千田,長崎
  TEL:044-520-5174     FAX:044-520-5178
  個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)


【提案書】
  ・徳島大学大学院・ソシオテクノサイエンス研究部からの提案
ファインケミカルの大量合成(1000t/yr)を実現する低圧力損失マイクロリアクタ技術に関する提案






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