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提案書



(1)大学・学部学科・研究室名・氏名
新潟薬科大学 応用生命科学部 応用微生物・遺伝子工学研究室 高久洋暁

(2)「技術シーズ」名
代謝経路を改変した大腸菌によるDOIの大量生産技術,酸化防止剤,接着剤,美白剤を簡易に合成可能

(3)技術概要
 2-デオキシ-シロ-イノソース(DOI)は,炭素六員環構造を持つベンゼン系化合物であり,医薬・農薬,酸化抑制剤等の化学品の合成のために重要な中間原料です。本技術は,試験管内或いは生体内でDOI合成酵素を作用させることにより,これまで化学合成が困難であったDOIをグルコースから容易に合成することが可能となりました(図1)。現在まで大腸菌を利用したDOIを生産するシステムの構築に成功しています。このシステムは,1)栄養増殖期に発現するプロモーターと定常期発現プロモーターを組み合わせ,またポジティブエレメントのみを利用することにより培養初期から後期にかけて継続的にプロモーターが働く高発現システム,2)DOIの原材料であるグルコースを大腸菌の生育のためではなく,優先的にDOI合成に利用できるように大腸菌の代謝経路を遺伝子工学的に改変して構築した新規代謝システム(図2)です。グルコースは大腸菌内に取り込まれるとグルコース-6-リン酸に変換された後,3つの経路(赤矢印)により利用されるが,これらの経路に関する酵素遺伝子を破壊したことにより,グルコースをDOI合成のためだけの基質として利用することができます。コンタミに強く,培養スケールの大型化ができ,連続培養や高密度培養が可能なことから酵母を利用した生産システムの構築も必要であると考え,研究を開始します。


図1:グルコースからDOIへの変換経路
  図1:グルコースからDOIへの変換経路

図2:DOI高生産大腸菌の新規代謝システム
  図2:DOI高生産大腸菌の新規代謝システム


(4)特徴・訴求点
1) DOI合成酵素遺伝子(BtrC)を組込んだ微生物を利用することで,培養という1ステップで多量のDOIの生産が可能です。また,DOIは2価フェノール(カテコール,ハイドロキノン,レゾルシンで酸化防止剤,接着剤,美白剤などに利用)に簡単に有機合成変換することができます。バイオマスから2価フェノールを得ることができ,環境負荷の低い省エネルギー・環境調和型循環産業システムによる物質生産ができます。
 2) 優先的にDOI合成に利用できるように大腸菌の代謝システムを改変して構築した新規代謝システムを利用した新規技術で,その変換効率はほぼ100%です。
 3) DOI合成酵素遺伝子(BtrC)を高発現させるシステムについても,栄養増殖期に発現するプロモーターと定常期発現プロモーターを組み合わせ,またポジティブエレメントのみを利用することにより培養初期から後期にかけて継続的にプロモーターが働く高発現システムを構築し,利用しています。
 

(5)現在注力している業界・分野
 製造業界(主としてDOIを原材料として変換が可能なベンゼン系化合物を取り扱う業界・分野)

(6)これから応用展開の可能性を探索してみたい業界・企業(アイディアジェネレーション段階)
DOIは,糖尿病薬のひとつであるボグリボースなど擬似糖へ変換することが容易であるため,医薬品・食品業界

(7)提案事項
バイオマス資源からのDOIの微生物による高生産の共同開発,DOIを有用物質への変換における共同開発



【ニュースリリース】
  ・代謝経路を改変した大腸菌によるDOIの大量生産技術を開発  [2009年3月6日]




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