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2009.12.15
 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
国立大学法人東京大学

重度な副作用を遺伝子レベルで予知できる技術を開発


 NEDOの産業技術研究助成事業の一環として,東京大学大学院 医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野の石川俊平助教は,個人ごとに異なるゲノムのアレル(注1)による遺伝子発現量の違いを高精度かつ網羅的に測定する技術を開発しました(図1)。この技術は,頻度の少ない重症な副作用の予知を遺伝子レベルで可能とし,薬剤開発における前臨床試験,臨床治験,市販後調査等へ対応可能な基盤産業技術としての実用化が期待されます。

図1 遺伝子発現応答のアレル差(左)と,マウス個体中のヒト細胞由来配列解読による生体内薬物応答個体差の解析(右)
図1 遺伝子発現応答のアレル差(左)と,マウス個体中のヒト細胞由来配列解読による生体内薬物応答個体差の解析(右)

(注1)アレルとは,一塩基多型などにより配列の異なるゲノム。両親から一つずつ受け継ぐため通常細胞あたり二つ存在する。


1. 背景及び研究概要
 個人ごとに異なるゲノムのアレルによる遺伝子発現量の違いは,個体間の疾患,薬剤感受性の違いの重要な原因とされています。従来,遺伝子発現量はマイクロアレイなどの手法によって解析や計測が行われていますが,再現性や感度,偽陽性,費用などの点で課題があるのが現状です。
 東京大学大学院 医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野では,アレルによる遺伝子発現量の違いを網羅的に測定する新規的特許技術“ExpressGenotype法”のプロトタイプを既に開発しています。現在,並列型シーケンサおよび集積流体回路などの新規技術と融合させることにより,アレルのコピー数をデジタルのデータとして計測し,産業応用が可能な精度まで高めるための研究を行っています。最終的には,次世代“ExpressGenotype法”を薬剤開発における前臨床試験,臨床治験,市販後調査などに対応が可能な低コストで実用性の高い基盤産業技術とすることが目的です。


2. 競合技術への強み
 今回の技術には,次のような強みがあります。
(1)
新規的概念の網羅的解析技術
薬剤誘導性のアレル間発現差(薬剤応答個体差)を利用しており,薬剤開発の初期から臨床治験,市販後の調査まで幅広く適用することができます。
(2)
個体差発現量を高精度に判別可能
並列型シーケンサなどのデジタル技術により,僅かな発現量個体差も高精度に判別できます。1万人に一人程度に起こる重症な副作用もスクリーニング可能です。
(3)
高い再現性
in vivo(生体内)にきわめて近い薬剤感受性個体差が臨床投与前にスクリーニングできます。


表1 本技術と従来手法との比較表
表1 本技術と従来手法との比較表


3. 今後の展望
 東京大学大学院 医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野では,以下の課題やテーマに関して,製薬企業,ジュネリック医薬品メーカー等との意見交換,共同開発などを提案します。
(1)
アッセイのコストダウン
(2)
バイオマーカーとなる多型探索とその企業側におけるインセンティブ


4. 研究者(石川俊平)の略歴
2000年3月   東京大学医学部医学科卒業
2004年3月   東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻博士課程修了
2004年4月   東京大学先端科学技術研究センターゲノムサイエンス部門特任助手
2007年4月〜  東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野助教


5.お問い合わせ先
<本プレス発表の内容についての問い合わせ先>
  東京大学大学院 医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野 助教 石川俊平
  TEL: 03-5841-3343   FAX: 03-3815-8379  
E-mail:メールアドレス
  研究室HP:http://pathol.umin.ac.jp/
<NEDO制度内容についての一般的な問い合せ先>
  NEDO 研究開発推進部 若手研究グラントグループ 岸本,松崎,千田,長崎
  TEL 044-520-5174   FAX 044-520-5178
  個別事業HP:産業技術研究助成事業(若手研究グラント)
<その他NEDO事業についての一般的な問合せ先>
  NEDO 広報室 坂本,萬木(ゆるぎ),田窪
  TEL 044-520-5151 


【提案書】
東京大学大学院 医学系研究科からの提案
重度な副作用を遺伝子レベルで予知できる技術の開発に関する提案





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