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砂や粉体を流動化させた,乾式の比重分離技術を開発
家電・自動車向け廃棄物リサイクルの高効率化に期待

[2007/01/25]

 岡山大学工学部(岡山市,押谷 潤助教授)と永田エンジニアリング(北九州市)は,廃プラスチックや金属片などを対象とした,乾式の比重分離による回収技術の開発に成功した。

乾式により廃液処理やランニングコストが低減できるのが強み
 これまで廃プラスチックや廃鉱物を分離・除去する際,比重調整の必要な重液を使った湿式法で対応するか,あるいは風力を使ったサイクロンなどによる乾式法で行っていたが,それぞれに課題があった。例えば,湿式法では廃水処理や分離後の乾燥工程が必要になったり,高価な比重調整剤を使用したりするなど非効率的な部分があった。逆に風力選別のサイクロン方式では,選別する対象物のサイズが数mm以上になると分離が難しく,分離精度が低い点などが問題であった。

 岡山大学が共同開発した固気流動層を用いた分離法とは,一般の砂を使い,下部から空気を送り流動化させることによって,砂の層がまるで“水槽の中で液体がダイナミックに動いているか”のような状態を作り出す。その中に分離したい複数の物体を投入すると,わずかな比重の違いにより,短時間で物体が浮き沈みし,それぞれを機械式に連続的に取り除く一連のシステムである。機械式の除去装置は,スクリーンネットを用いた方法やバキュームで吸取る方法など,対象物によっていくつかの方法がある。装置のサイズも大量処理に向けた,大型の連続装置や簡易な小型のタイプまで処理能力や用途によって選択できるため,これらの中から最適な方法を選んでいく。


図1:バキューム式連続分離装置
図2:小型な機械式分離装置
バキューム式連続分離装置
小型な機械式分離装置


塩素の含有・非含有といった微妙な廃プラスチックの違いまで分離可能
 図3のグラフに見られるような,廃プラスチックに含まれる塩素含有量による僅かな比重の違いでも分離することができる,これにより焼却炉の腐食を防止するなどのメリットがある。
 この固気流動層による乾式の比重分離技術の応用先としては,自動車や家電のシュレッダーダストの分離や石炭の選炭(灰分含有炭と可燃炭の分離)や鉱物の分離としての選鉱など,さまざまな対象物を乾式で分離することできる。


図3:廃プラスチックの比重と塩素濃度の関係
廃プラスチックの比重と塩素濃度の関係

ユーザーとの共同プロジェクトによる用途開発も募集
 岡山大学では素材の分離回収の点で課題を持っている,さまざまな業界のユーザー層に対し,共同プロジェクトによる分離技術の用途開発を募っており,自動車・家電メーカーなどを始めとした製造業,リサイクル業界,資源採掘業など広い分野や用途を対象としている。今後も素材分離における産学連携体制の構築に積極的に取組んでいく模様だ。


【ニュースリリースはこちら】
  ・廃棄物リサイクルに向けた乾式比重分離回収技術の開発に成功 乾燥工程や廃液処理が不要となる,ランニングコスト低減化を実現 [2007年01月12日]
  【テクニカルノートはこちら】
    ・廃棄物の乾式素材分離回収技術の実用化に向けた産学連携体制構築の提案 [2007年01月25日]



記事要点掲載先:日経BP.jpTech-On!

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